
出典:宣伝会議(写真提供)
週間グロサリーニュース10/13~10/18 変わる“日常の買い物”の裏で――お菓子・コーヒー・レジ・アイスに見える時代の波
「昔からある味」「いつもの買い方」。
そんな“当たり前”が、いま少しずつ変わってきています。
食品業界では、生産拠点の閉鎖や原料価格の高騰、レジの仕組みの変化など、
私たちの目に見えないところで静かな地殻変動が進んでいます。
その一方で、新しい価値を生み出そうとする企業の挑戦もあります。
今回は、最近話題になった4つのニュースを通して、
「日常の買い物」の裏にあるリアルを見ていきたいと思います。
- “カール”唯一の工場が閉鎖へ——半世紀の歴史に幕
- コーヒー豆の高騰と、キーコーヒーの挑戦
- セルフレジ詐欺「カゴ抜け」に注意——便利さの裏に潜むリスク
- ガリガリ君、“大人な完熟メロン”で新しい一手
“カール”唯一の工場が閉鎖へ——半世紀の歴史に幕
「それでも“カール”が食べられるのは、ここがあったから」。
そんな声が聞こえてきそうです。
明治の人気スナック「カール」を製造していた愛媛・松山市の“四国明治 松山工場”が、
来年3月をめどに閉鎖されることが発表されました。
この工場は1975年に稼働を開始し、約50年にわたって“全国で唯一”カールを作り続けてきた場所です。
2017年に関東以北での販売を終了し、西日本限定となって以降も、
多くのファンが通販や旅行先で買い求めていました。
その“最後の砦”がなくなるということで、SNS上では「子どものころからの味が…」「寂しい」「時代を感じる」といった声が相次ぎました。
工場閉鎖の背景には、人口減少による人手不足、エネルギーや原料の高騰、
そして全国的な需要減など、いくつもの要因があると見られます。
企業にとっては経営判断であり、時代に合わせた合理化の一環でもありますが、
同時に“食の記憶”がひとつ減っていく寂しさもあります。
今後は他の生産拠点に製造が引き継がれる見込みとのことですが、
「どこで作っても同じ味」と言えるほど簡単ではありません。
地域の工場には、長年の“職人の勘”や“土地の空気”が染みついているからです。
カールはこれからも販売が続く予定ですが、
“あの工場で作られていた”という記憶は、もう戻ってこないかもしれません。
ひとつの時代が、静かに幕を下ろそうとしています。
コーヒー豆の高騰と、キーコーヒーの挑戦
次に注目したいのは、コーヒー業界の動きです。
キーコーヒーの柴田裕社長が語った「原料高をカバーする商品開発」の方針が話題になりました。
物価高騰でコーヒーは節約する対象になりつつあるわね・・・
世界的な気候変動や為替の影響で、コーヒー豆の価格は高止まりしています。
多くの企業が値上げを余儀なくされる中、キーコーヒーは“ただの値上げ”ではなく、
「高付加価値商品を通じて価格転嫁分の価値を感じてもらう」という戦略を取っています。
たとえば、香りや焙煎方法、パッケージなどにこだわり、
日常の一杯を“特別な体験”に変えるような工夫です。
これは単なる価格転嫁ではなく、“価値転嫁”と言えるでしょう。
「値上げ=悪」というイメージを覆し、
“ちょっと贅沢でもいい”と思わせるような新しい方向性。
消費者に「それでも飲みたい」と思ってもらえる価値をどう作るか。
それが、いまの時代の大きなテーマになっています。
消費者は、物価に対して厳しいからね。その中でいろんな工夫があることは、節約志向の消費者に向けても購入の動機づけになるんじゃないかな!
セルフレジ詐欺「カゴ抜け」に注意——便利さの裏に潜むリスク
販売現場でも、新しい課題が浮かび上がっています。
SNSで話題になったのが、イオンのセルフレジで発生した「カゴ抜け」事件です。
ジャーナリストの桃野泰徳さんが体験したのは、
「すでに約3800円分の商品がスキャンされた状態で放置されていたレジ」。
もしそのままスキャンを始めていたら、前の人の会計まで支払ってしまうところでした。
この「カゴ抜け」とは、商品をスキャンして支払いをせずに立ち去るという新しい万引き手口です。
次に使う人が誤って操作を続けてしまうと、被害が拡大する危険な仕組みです。
万引き犯の商品を、払うことになるじゃない!!
桃野さんが異常に気づけたのは、セルフレジの“初期画面”に違和感を覚えたからでした。
本来なら最初に表示される「マイバッグを使う/レジ袋を購入する」選択画面が出ていなかったのです。
「以前トラブルを経験したから、そこを注意して見ていた」と語る桃野さん。
こうした小さな気づきが、大きな被害を防ぐ鍵になりました。
店員を呼ぶと、すぐにレジは「閉鎖中」となり、店側が対応したそうです。
SNSのコメント欄には、「ファミレスで同じ被害に遭った」「酔っていて気づかず払ってしまった」という声も寄せられ、
全国的に同様のケースが増えていることが分かります。 高齢者やお酒を飲んだあとなど、判断力が鈍る場面では特に注意が必要です。
支払金額が多くても「まぁこんなもんか」と思ってしまう心理もあるからです。
たしかに正常な判断ができる人ばかりが利用するとは限らないもんなぁ
桃野さんは最後にこう語っています。 「被害を防ぐには、小さな違和感センサーに気づくことが大事です。」
便利で効率的なシステムほど、“人の注意力”に支えられています。
自動化が進む時代だからこそ、私たち自身の「気づく力」が問われているのかもしれません。
ガリガリ君、“大人な完熟メロン”で新しい一手

出典:グルメwatch(写真提供)
最後は、少し明るいニュースです。
赤城乳業が発売した「大人なガリガリ君完熟メロン」が、SNSで注目を集めています。
メロン果汁を33%使用し、はちみつや練乳、リンゴ果汁を隠し味に加えた“ジューシーで深い味わい”。
子ども向けのイメージが強かったガリガリ君が、
“大人のご褒美アイス”として新しい一面を見せています。
物価高や節約ムードが続く中でも、「ちょっと贅沢したい」「癒されたい」という気持ちはなくなりません。
企業もそこに光を当て、“日常の中の喜び”を再発見させてくれます。
変わるのは「買い物」ではなく、「感じ方」
カール工場の閉鎖は“ものづくりの再編”を、
キーコーヒーは“価値ある価格”を、
セルフレジ事件は“便利さの裏のリスク”を、
そしてガリガリ君は“新しい楽しみ方”を教えてくれました。
一見バラバラに見えるこれらのニュースも、
実はすべて「日常の買い物」という共通点でつながっています。
私たちが何気なく手に取るお菓子や飲み物の背景には、
企業の努力、社会の変化、そして人の思いや注意が詰まっています。
作る人、売る人、買う人。
それぞれが変わりながら、今日もレジの向こうで“食”の物語が続いているのです。
変化の中で、私たちは何を選び、どんな価値を感じていくのか。
その答えを探すことこそ、これからの“買い物の楽しさ”なのかもしれません。
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