📘 このシリーズについて

この記事は、全10章で構成される
「グロサリー最強戦略:クリスマスから正月まで“売場が主役になる”90日」シリーズ の第1章です。

12月は、クリスマス・年末・正月という
一年で最も売場が“変化し、売れる”季節。

実際、経済産業省の商業動態統計でも
年末は食品小売が年間で最も需要が高くなる と示されています。
👉 参考:経産省 商業動態統計
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/syoudou/index.html

このシリーズでは、現場で役立つ
「超繁忙期を乗り切る売場づくり」 を全10章で体系化していきます。

なるべく凝縮しようとしたんだけど、年末年始はボリュームがすごくて  10章編成になっちゃった(笑)

🎄➡🎍第1章:12月の売場はこう動く(全体戦略)

― 12月は“仕込みと切り替え”で決まる ―

12月のグロサリーは、
「一年の中で最も“売場の設計力”が売上を左右する月」 です。

なぜなら、12月は
クリスマス ⇒ 年末 ⇒ 正月 の3つの需要が “連続で爆発” する特殊な月だから。

そして、この爆発する需要を“取りこぼさずに拾う売場”を作れるかどうかは、
12月の流れを正しく理解しているか にかかっています。

この章では、12月の売場を
5つのフェーズ に分けて、
「どう動き、どう仕上げるべきか」を完全に整理します。

🗂️ 12月の売場は5つのフェーズで動く

  1. 12/1〜10:土台をつくる“仕込み期間”
  2. 12/11〜20:クリスマス需要の“助走”
  3. 12/21〜25:最大山場“クリスマス本番”
  4. 12/25深夜〜12/26朝:売場を秒で切り替える最難関ゾーン
  5. 12/26〜31:正月の“爆売れゾーン”

順番に深掘りしていくで。

🧱 1. 12/1〜10:土台をつくる“仕込み期間”

12月序盤は、一見静か。
でも実は ここで仕込みをミスると、後半に地獄を見ます。

✔ この期間のゴール

「後半に死なない売場の“型”を作る」

✔ やるべきこと

  • 定番棚の欠品を“ゼロ”に近づける
  • 売場の乱れを整え、棚割を“正しい姿”に戻す
  • 年末の重点商品のストックを把握する
  • 調味料・乾麺・お酒のカゴ取られ商品を目立たせておく
  • クリスマス商品の“導線位置”だけ確保しておく

✔ ポイント

序盤は売場が空いているように見えるからこそ、
「後半の戦闘準備」 を整える絶好のタイミング。

この時期に棚が乱れてる店は、
12/20以降に絶望する。

日頃の成果を再確認する、再構築する、再徹底する。基本を固めないとね!

🎅 2. 12/11〜20:クリスマス需要の“助走期間”

お客様のカゴの中に、
「クリスマスの気配」 が混ざり始める時期。

とはいえ、まだ爆発しない。
でもここで“見せ方”を整えると売上が伸びる。

まだ買わないお客様にも「見せる」ことで次回の来店につなげます!

✔ やるべきこと

  • パスタ・ピザ・クラッカー・お酒の導線を整理
  • 生クリーム・ホイップ・ケーキ素材の関連商品を寄せる
  • サンタ・赤色・金色を使った“季節訴求POP”
  • “買い忘れ救済”のミニコーナーを作っておく

✔ ポイント

クリスマスは男性客の来店が圧倒的に増えるイベント。
だからPOPは「わかりやすい」「迷わせない」が最強。

流通ニュースなどでも、
この時期に“パーティー系需要が立ち上がる”と分析されています。
👉 https://www.ryutsuu.biz/

🎄🔥 3. 12/21〜25:最大山場“クリスマス本番”

グロサリーでいちばん売れる瞬間。
棚が“売場のステージ”になる期間。

✔ やるべきこと

  • ホイップ・イチゴジャム・ケーキスポンジの欠品ゼロ
  • チキン商材×パスタ×ワインの“横並び戦略”
  • お酒・スナック・ジュースの“パーティー導線”
  • クリスマスイブの“仕事終わり男性客対策”

✔ 特に重要

12/24・25の夕方は、
“買い忘れ”と“助けてほしい客”が激増。

ここでカゴ単価が跳ね上がる棚を作れる店は強い。

🌙⚡ 4. 12/25深夜〜12/26朝:売場を秒で切り替える最難関ゾーン

12月で一番ハードな時間帯。
ここをどう乗り切るかで正月の売上が決まる。

この時期はまさに「マジック」。昨日までとは一新された売場が展開されます。いい意味でびっくりします!

企業によっては、クリスマスの25日はそこまでクリスマス商材を展開せず、正月商材をはやく展開するところもあります。

✔ ゴール

“朝の開店までに、正月売場を完成させる”

✔ やるべきこと

  • クリスマス残品の処理(売価変更 or 目立たない移動)
  • 正月のおもち・かまぼこ・だし・醤油の「主通路化」
  • 練り物・和風調味料の“紅白ゾーニング”
  • おせち素材の“用途別陳列”

✔ 最大のポイント

「どこから触るか」を決めておくこと。
迷ったら、
👉 お客様が一番最初に目にする箇所から仕上げる

農林水産省も、正月期は
「鍋・だし・和食品の消費が跳ね上がる」 とレポートしています。
👉 https://www.maff.go.jp/j/shokusan/eat/nabe/nendo.html

🎍💥 5. 12/26〜31:正月の“爆売れゾーン”

クリスマスが終わった瞬間から、
売場は“和の爆発”に突入する。

✔ 売れるカテゴリー

  • おもち
  • 醤油・だし・みりん
  • かまぼこ・伊達巻・栗きんとん
  • そば・うどん・天ぷら
  • お酒・ジュース・お菓子

✔ やるべきこと

  • 「家族全員で来店」導線を意識する
  • 迷わせない用途POP
  • まとめ買い需要に合わせた“広く見せる陳列”
  • 売れ筋の“分散陳列”(1ヵ所だけに置かない)

✔ 最重要ポイント

年末は“価格POP”より“用途POP”が勝つ。
「年越しそばに合わせて」
「お雑煮に必要なもの全部そろいます」
こういう“提案型の棚”が爆売れする。

この時期は1本800円のかまぼこが出たりで、価格よりも「なぜ買うか」    を伝えることが大事なんだね。

🧠 まとめ:12月は“予測”で動く売場が勝つ

12月のグロサリーは、
「準備 → 助走 → 爆発 → 切替 → 爆発」
という特殊な流れで動きます。

だからこそ、
序盤の仕込み後半の切り替え速度 が勝負。

この第1章を土台にして、
次の章では「クリスマス商戦の核心」にさらに踏み込んでいくで。

📎 この章で使った外部リンク(まとめ)