技術より先に持っておきたい「考え方」

ここまで本シリーズでは、

  • クリスマス商戦におけるグロサリーの役割
  • 年末(12/28〜31)の売場づくりと導線設計
  • 年始(1/3〜)の需要変化と在庫処理

といった、一年で最も売場が揺れ動く期間を、実務ベースで追ってきました。

どの章にも共通していたのは、
「特別な技術」よりも
“どう考えて動いたか”が結果を左右していたという点です。

第10章では、
新人・若手スタッフでも明日から使える
超繁忙期を乗り切るための「考え方の型」をまとめます。

なぜなら――
超繁忙期は、

  • 作業量が多いから差がつく
    のではなく、
  • 判断の質で差がつく期間

だからです。

忙しい時ほど、
「とにかく動く人」より
今、何を優先すべきかを判断できる人”が、
売場を安定させ、チームを助け、結果を残します。

🧭 ① 店舗の“気配”を読む力を持つ

繁忙期の売場は、
数字が動く前に、空気が先に変わります。

売場に立った瞬間に感じる、

  • なんとなくザワついている
  • いつもより歩くスピードが速い
  • 売場をキョロキョロ見ている人が多い

こうした変化こそが、一番早いサインです。

見るべきポイント

  • お客様の歩くスピード
  • カゴの中身が「目的買い」中心か、「ついで買い」が混じっているか
  • 売場で立ち止まる場所/素通りされる棚

具体例

  • 立ち止まりが多い
     → 情報不足、選びづらさ、決め手不足
  • 素通りが多い
     → 目的とズレている、場所が違う、訴求が弱い

👉 売場は常に「反応」を出しています。
その反応を数字より先に感じ取れるかどうかが、
繁忙期では最大の武器になります。

日々売場でお客様を見ている人ほど感じることができる                  今までの経験が大事だね!

🔮 ② 売場を「予測」で動かすクセをつける

超繁忙期にありがちな失敗が、
「売れてから動く」ことです。

忙しいと、どうしても
「今、目の前で起きていること」だけに対応しがちですが、
それでは常に一歩遅れます。

正解は逆です。

売場は
起きる前に動かすものです。

考え方の型

  • 今日売れた → 明日はもっと要る
  • 明日人が増える → 今日の夜に仕込む
  • 天気・曜日・行事 → 売れる理由を先に考える

具体例

  • 12/30の夕方
     → 年越しそば・だし・天かす・かまぼこ
  • 1/3以降
     → 簡便食・レトルト・乾麺・缶詰

👉 売場は「後追い」ではなく「先回り」。
このクセが身につくだけで、
繁忙期のしんどさは一気に減ります。

「後追い」だと判断も冷静にできず、いい結果が出にくい・・・

🎯 ③ 迷ったら「お客様の今の目的」を考える

繁忙期は、
「何を出すか」よりも
「今、何を探しているか」が重要です。

商品自体は同じでも、
お客様の目的は日ごとに変わります。

目的の変化例

  • 12/23〜25
     → 失敗したくない・華やかにしたい
  • 12/28〜31
     → 揃え忘れたくない・年を越したい
  • 1/1〜3
     → 外に出たくない・ラクしたい
  • 1/4以降
     → 普通の生活に戻りたい

👉 商品は同じでも、
POP・陳列・関連の「意味」は変える必要があります。

繁忙期に迷ったら、
「このお客様、今日なにを終わらせたいんやろ?」
と考えるだけで、
売場の答えは見えてきます。

大事なのはお客様の立場に立つこと

🛒 ④ 買い上げ点数は「自然に」上げるもの

超繁忙期は
買い上げ点数を上げるチャンスですが、
無理な売り込みは逆効果です。

効くのは、
お客様が「考えなくていい」仕掛け

自然に増える仕掛け

  • 用途POP
     「これがあれば完成」
  • 関連陳列
     考えなくていい並び
  • 導線上での再提案
     レジ前・主通路

具体例

  • 年越しそば横に
     → だし・天かす・刻み海苔
  • レトルト前に
     → ごはん・スープ

👉 「ついでに入っている」状態を作ること。
それが一番強い点数アップです。

📉 ⑤ 1月の反省が「次の年末」を強くする

繁忙期が終わったあと、
一番もったいないのは
「何も残さないこと」です。

振り返るべきポイント

  • 売れすぎた商品/足りなかった商品
  • 仕込みが遅れたタイミング
  • 値下げに頼りすぎた棚
  • POPが効いた・効かなかった事例

これを
箇条書きでいいのでメモに残すだけで、
翌年の売場力は確実に上がります。

👉 年末年始は
👉 一度きりのイベントではありません。
👉 毎年レベルアップできる教材です。

来年の年末年始にも必ず使用できます

📝 まとめ|超繁忙期を乗り切る5つの心得

  • 店舗の“気配”を感じ取る
  • 売場は予測で動かす
  • 迷ったら「お客様の目的」を考える
  • 買い上げ点数は自然に増やす
  • 1月の反省を次に活かす

これができれば、
新人でも、経験が浅くても、
売場を「考えて動かす人材」になれます。

📚 参考リンク・データ(理解を深めたい人向け)

🎉 シリーズ完結にあたって|この90日は「売場の教科書」になる

「クリスマスから正月まで“売場が主役になる”90日」。

この期間は、
ただ忙しいだけの地獄ではありません。

  • 判断力
  • 段取り力
  • お客様理解
  • 売場を見る目

全部が一気に鍛えられる、最高の教材です。

このシリーズで伝えたかったのは、
テクニック集ではなく
“売場をどう考えるか”という地図

新人教育にも、
若手育成にも、
そして自分自身の棚づくりにも――

このシリーズ、
どこに使っても、確実に武器になります🔥