第5章・第2部 正月売場づくり完全マニュアル― 陳列・導線・関連販売で差がつく年末年始 ―

― 陳列・導線・関連・訴求の実践編 ―正月商材は「置いたら売れる」ではない
おせち・お雑煮商材は、
「年末になったら勝手に売れる」と思われがちです。
しかし実際には、売れる店と売れ残る店が発生します。
この差は 売場づくりの完成度 でほぼ決まります。
正月商材は
✔ アイテム数が多い
✔ 来店客が“家族単位”
✔ まとめ買いが前提
だからこそ、
陳列・導線・関連・訴求 を設計できた売場が圧勝します。
この第2部では、
現場でそのまま使える「正月売場の作り方」を整理します。
🧱 ① 正月売場の基本は「面で見せる陳列」
正月商材でやってはいけないのが、
意味もなく売場のいろんなところに陳列されていることです。
✔ 正解は「面展開」
- おもち
- だし
- 醤油
- 練り物
- おせち素材
これらは
1か所に“正月ゾーン”としてまとめる ことで
お客様の思考が一気に楽になります。
▶ ポイント
- 普段の通路をまたいで“正月の世界観”を作る
- 平置き+立体陳列でボリューム感を出す
- 欠品が出ても「寂しく見えない面積」を確保する
普段は通路が違う場所にならんでいる商品も「正月」というテーマに沿った商品でまとめることで、売場として意味を持つことになるんだね!
🧭 ② 導線は「家族客」を基準に考える
年末の来店客は、
単身より 家族連れ・複数人来店 が増えます。
つまり、
- カートが大きい
- 立ち止まる
- 相談しながら選ぶ
この行動を前提にしないと、
売場はすぐ詰まります。
✔ 導線づくりの基本
- 主通路沿いに正月ゾーンを配置
- 通路幅は“人が止まっても流れる”余裕を持つ
- 入口 → 正月 → 生鮮 → レジ の流れを意識
とくに おもち・だし・醤油 は
「最初に目に入る場所」にあると買い忘れ防止になります。
沢山の商品があるので、並べることに注力しすぎてしまい通路幅が確保できていない状況になることには気を付けましょう!
🔗 ③ 関連陳列は「用途」でまとめる
正月売場で最も効果が高いのは
商品名ではなく“使い道”でまとめる陳列 です。
✔ 例:お雑煮セット陳列
- 切りもち
- だし
- 白みそ・醤油
- かまぼこ
- 三つ葉
→ 「お雑煮に必要なものが全部ここにあります」
✔ 例:おせち素材陳列
- 黒豆
- 栗きんとん材料
- 昆布巻
- 田作り
→ 「おせち手作り派向け」
関連陳列は
“迷わせない”ための仕組み です。
この売場にならんである商品を買えば、すべて揃うような状態を目指したい
📣 ④ 正月は「価格」より「訴求POP」が効く
年末は、
値段で悩むより
「これで合ってるか」 を気にするお客様が増えます。
だからこそ、
POPは価格より 用途・意味 を前に出します。
✔ 効くPOP例
- 「かまぼこをおせちに入れるのはなぜか」
- 「年越しそばに欠かせない」
- 「お正月に一番使われるおもち」
- 「迷ったらこれ」
情報を足すほど売れるのが、正月商材の特徴です。
第5章第1部で説明した商品の“いわれ”をPOPで伝えることも効果的です。
🧠 ⑤ 正月売場は「分散陳列」で取りこぼさない
正月商材は
1か所だけに置くと取りこぼしが出ます。
✔ 分散させたい商品
- おもち → 正月ゾーン+生鮮近く
- だし → 正月ゾーン+調味料棚
- 清酒 → 酒売場+正月ゾーン
「ここにもある」を作ることで、
買い忘れを確実に拾えます。
「歩けばおもちにあたる」くらいに多箇所に展開しなさいとはよく言われました
📝 まとめ:正月商材は「売場設計」がすべて
第5章・第2部のポイントを整理します。
- 正月売場は“面”で見せる
- 家族客を前提に導線を作る
- 関連陳列は「用途」でまとめる
- 価格より訴求POPが効く
- 分散陳列で取りこぼさない
正月商材は、
準備した分だけ、設計した分だけ売れる商品群 です。
次はいよいよ
第6章:年末(12/28〜31)の最大繁忙期編
ここで一気に売上を取りにいきましょう🔥
📎 参考リンク
① 年末〜年始の食品購入動向(POSデータによる分析)
「12月20日頃から売上が上昇し、年末〜おせち関連商品も増加している」 という傾向が報告されているデータ。
👉 日次データで見る年末年始に購入された食品の動き(KSP-POS分析)
https://www.ksp-sp.com/opencts/2024/01/26/202312nenmatsu/ ksp-sp.com
② スーパーマーケット業界の年次統計レポート(白書)
「年末・クリスマス商戦が好調」「食品カテゴリが引き続き需要を牽引している」という報告が載っている公式資料やで。
👉 スーパーマーケット白書 2024(全国スーパーマーケット協会)
https://www.super.or.jp/wp/wp-content/uploads/2024/02/NSAJ-Supermarket-hakusho2024.pdf 一般社団法人全国スーパーマーケット協会
③ 小売全体の年末消費動向(統計ニュース)
1月やクリスマス商戦時の小売売上全体の伸びを示すデータ(経済産業省などの統計ベース)。
👉 日本の1月小売売上高が前年比で上昇(Reuters / METI統計参照)
https://www.reuters.com/world/japan/japan-january-retail-sales-rise-39-year-on-year-2025-02-27/ Reuters


