第5章 第1部:おせち・お雑煮に使う“全ての基本食材”を総まとめ|意味・役割・売場ポイント

おせち・お雑煮・年末年始の“買われる理由”を理解する
おせちやお雑煮の売場を作るうえで、
「なぜ売れるのか」「どんな意味があるのか」 を理解しておくことは、
売場づくり以上に重要です。
とくに新人・2〜3年目のスタッフが苦戦しがちなポイントは、
- おせちの“いわれ”を知らない
- 地域差(丸餅/角餅・白味噌/すまし)が理解できていない
- どの商材が“セットで売れる”かがわからない
- 正月売場が“なぜ爆発的に売れるのか”の理由を知らない
これらを全部ぜんぶ 一撃で整理する のが、この第1部。
クリスマスから一気に正月へ切り替わる激動の年末、
“意味を知って売る”ことでPOPや声掛けの説得力が跳ね上がります。
1000円くらいする「かまぼこ」もある。ただ並べるのではなく、なぜ高いものが売れていくのか、売っているのかを知ろう!!
🎌 【1】おせち料理を構成する主要商材(意味・特徴・売場でのポイント)
■ 黒豆
- 意味:マメに働く・健康を願う
- 特徴:関西はふっくら甘め、関東はやや濃い味
- 売場のポイント:栗きんとんや金箔とセットで“黒×金”の演出が強い
■ 栗きんとん(栗甘露煮+さつまいもペースト)
- 意味:金運上昇・商売繁盛
- 特徴:子どもが好きな甘い味
- 売場ポイント:
・栗甘露煮と一緒に並べる
・「くちなしの実」が黄色を鮮やかにするために必要
■ 田作り
- 意味:豊作祈願
- 特徴:小魚を砂糖と醤油でカリッと仕上げた保存食
- 売場ポイント:水あめ・醤油と関連陳列が刺さる
■ 数の子
- 意味:子孫繁栄
- 特徴:塩数の子・味付数の子がある
- 売場ポイント:昆布・醤油・和風だしとセット売りが強い
■ 昆布巻き
- 意味:「喜ぶ」にかけた縁起物
- 売場ポイント:
・昆布茶・だし昆布の関連訴求
・レンジ調理可能なカップ惣菜も伸びる
■ 伊達巻
- 意味:巻物=学業成就・知識
- 特徴:はんぺん+卵+調味で作る甘い卵焼き
- 売場ポイント:カットしても崩れにくく、セット売場で必須
■ かまぼこ(紅白)
- 意味:日の出を象徴
- 特徴:赤と白の色が縁起物
- 売場ポイント:
・板わさ用に“厚切りイメージ”のPOP
・お雑煮コーナーにも分散陳列
■ なます(紅白なます)
- 意味:平和・調和
- 売場ポイント:酢・砂糖・カット野菜と相性が良い
■ 筑前煮(れんこん・ごぼう・にんじん)
- 意味:穴を見通す(れんこん)・根を張る(ごぼう)
- 売場ポイント:カット野菜・めんつゆとの関連が強い
入っている食材すべてに意味があるんだなぁ
🎍 【2】お雑煮に必要な商材(地域差も含めて完全網羅)
■ おもち
- 地域差
・関西:丸餅
・関東:角餅 - 売場ポイント:丸餅・角餅の“違いPOP”は絶対に刺さる
■ 白味噌 vs すまし(おすまし)
- 地域差
・関西(特に京都・滋賀):白味噌
・東海〜関東:すまし(醤油+だし) - 売場ポイント:
・味噌売場に地域POP
・白味噌は12/30から急激に動く
■ だし(昆布・かつお・合わせ)
- ポイント:
・年末は“いつもの倍”出る
・花かつお・糸かつおの分散陳列がマジで効く
■ 具材(地域差を含む)
- 鶏肉(関西・東海)
- 里いも
- にんじん
- だいこん
- 三つ葉
- 金時にんじん(関西)
- ほうれん草(関東)
売場ポイント:
カット野菜・だし・味噌の“3点セットPOP”が最強。
白みそで食べる方も年末しか食べない人は多そうだね
🍶 【3】年末年始に絶対売れる“その他の重要商材”
■ 日本酒(清酒)
- 意味:年神様を迎える「お神酒」
- 売場ポイント:
・祝い酒コーナーを“紅白+金”で
・鏡餅と一緒に並べると異常に売れる
■ 醤油・みりん・料理酒
- 12/26〜30は通常の2〜3倍売れる
- だし・麺類と一緒に置くのが鉄板
■ 麺類(そば・うどん)
- 理由:12/31=年越しそば需要
- ポイント:天ぷら・めんつゆの関連が絶大
■ 鏡餅(パック餅)
- 売場ポイント:
・入口・サービスカウンター前に置くと強い
・小型〜大型のサイズ比較POPが効く
■ 菓子・甘味(ぜんざい・ゆであずき・きな粉)
- 理由:年始の三が日は“家で食べる系”需要が増える
- 売場ポイント:
・ぜんざいと白玉粉のセット陳列
・きな粉は丸餅の近くへ
金箔入りの清酒はテンション上がっちゃう!
🎍 【4】第1部のまとめ:正月売場の全体像を理解する
正月の売場は、
「縁起」「地域差」「家庭内行事」
この3つがベースになって動く。
だからこそ、第1部では
- おせちのいわれ
- お雑煮の地域差
- 必要な商材
- 年末年始の絶対売れる食品
- 他部門と絡む関連性
これらを 全部まとめて基礎知識として理解すること が重要です。
第2部では
👉 これを“どう売場に落とし込むか”
を具体的な陳列技術として解説していきます!!
参考リンク
① 農林水産省|おせち料理に関わる基礎知識(食文化)
おせち料理の意味・食材の由来・地域差など、基礎知識として最も強い信頼性。
→ 黒豆・昆布巻き・田作り・栗きんとんの意味を補強できる。
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/culture/osechi.html
② 農林水産省|米・もち(もちの種類・消費動向)
鏡餅・切り餅・丸餅など、地域ごとのもち文化にも触れられる。
→ 関西=丸餅、関東=角餅 の裏付けに最適。
https://www.maff.go.jp/j/seisan/keikaku/foodculture/rice/moti.html
③ 全国スーパーマーケット協会(NS-SPA)|スーパーマーケット白書
年末商戦・年始需要・食品カテゴリー別の売れ方がわかる、業界公式データ。
→ 清酒・だし・調味料・乾物の年末需要の説明に使える。
https://www.super.or.jp/wp/wp-content/uploads/2024/02/NSAJ-Supermarket-hakusho2024.pdf
④ 紀文食品|おせち料理の基礎知識(食品メーカーの文化解説)
業界最大手「紀文」のおせち特設ページは、意味・歴史・食材由来がまとまっていて分かりやすい。
(食品メーカーだが信頼性は高く、商材理解に役立つ。)
https://www.kibun.co.jp/knowledge/osechi
⑤ 日本酒造組合中央会|日本酒の種類・年末需要について
清酒の種類(本醸造・純米・吟醸など)と、年末消費の伸び傾向。
→ 正月に清酒が売れる理由の裏付けとして最適。
https://www.japansake.or.jp/sake/knowledge


