家庭内需要が“最大化”する4日間、      年末は「売れすぎて当たり前」の異常期間

12月のグロサリー業務の中で、
12/28〜31の4日間は別格です。

クリスマスが終わり、
「イベントが一段落した」と感じる人もいますが、
実際の売上データを見ると ここが年間最大の山場 になります。

なぜなら年末は、

  • 外食が減り、家で食べる比率が一気に上がる
  • 家族全員分の食事・酒・お菓子をまとめ買いする
  • 「正月は失敗できない」心理で単価が跳ねる

という、
売上・点数・単価が同時に上がる“チート期間” だからです。

本当にこの4日間が勝負所だね!!

実際に、
全国スーパーマーケット協会の月次統計でも
12月は売上・客単価ともに上振れしやすい月であることが示されています。

👉 参考:
全国スーパーマーケット協会
「スーパーマーケット景気動向調査(12月実績)」
https://www.super.or.jp/wp/wp-content/uploads/2023/01/tokei-20230120kts.pdf

🎯 1. 年末は「家で食べる」需要が最大化する

12/28以降、売場で明らかに変わるのが
お客様の購買目的です。

  • 外食 → 家庭内調理へ
  • 個食 → 家族分まとめ買いへ
  • 今日食べる → 数日分まとめ買いへ

この変化が起きることで、

  • 1人あたりの買い上げ点数が増える
  • 1点あたりの単価が上がる
  • カゴが一気に重くなる

という状態になります。

年末の家族で集まる時間が楽しみ♪

この「家庭内需要の集中」は、
日次POSデータでもはっきり表れています。

👉 参考:
【日次データで見る】年末年始に購入された食品の動き(KSP-POS分析)
https://www.ksp-sp.com/opencts/2024/01/26/202312nenmatsu/

この分析では、
12月下旬に向けて おせち関連・惣菜・年末食材が一気に伸びる 様子が確認できます。

🍜 2. 年末に「異常に強い」カテゴリーたち

年末は、
特定のカテゴリーが“異常な伸び方”をします。

📌 鉄板で強いカテゴリー

  • そば・うどん(12/31は別格)
  • だし・醤油・みりん・つゆ
  • かまぼこ・伊達巻・黒豆
  • おもち・切りもち
  • 清酒・ビール・チューハイ
  • ジュース・炭酸飲料
  • お菓子(来客用・正月用)

これらに共通するのは、
「使う理由が明確」「失敗できない」「切らせない」 商品であること。

だから価格よりも、

  • すぐ見つかるか
  • 迷わず選べるか
  • 一緒に買えるか

が重視されます。

🧠 3. 年末は「価格」より「用途」が勝つ

年末の売場でよくある失敗が、
価格訴求に寄せすぎること

年末のお客様は、

  • 安いから買う
    ではなく
  • 必要だから、今買う

という心理状態です。

だから効くのは👇

  • 「年越しそばに」
  • 「お雑煮に必要なもの」
  • 「正月にあると困らない」
  • 「来客用に」

といった
用途が一瞬で伝わる訴求

価格よりも「価値」を伝えよう!

この考え方は、
小売業界向けの専門メディアでも強調されています。

👉 参考:
Diamond RM Online
「年末商戦を活性化する攻めの売場づくり」
https://diamond-rm.net/sales-promotion/product-strategy/494589/

🛒 4. 年末は「まとめ買い前提」で売場を作る

年末の売場は、
1点売りではなく“セット売り”思考が重要です。

✔ 売れる売場の例

  • そば売場の横に
     → めんつゆ・だし・かまぼこ
  • もち売場の近くに
     → きな粉・あんこ・砂糖
  • 清酒売場の近くに
     → 乾き物・珍味・菓子
  • ジュースの前に
     → 紙コップ・お菓子

「一緒に使うもの」が
視界に入るだけで、買い上げ点数は自然に増えます。

お客様に買い忘れをさせない売場、思い出させる売場が大事だね!

🧭 5. 年末は“広く見せる”が正解

年末は在庫を恐れず、
思い切って広く見せる 方が売れます。

  • フェイスを増やす
  • 平積みを作る
  • 主通路に出す
  • 分散陳列する

「売れている感」「安心感」を出すことで、
お客様は
“この店に来れば正月は大丈夫”
と感じてくれます。

この年末特有の売上構造は、
年次統計でも裏付けられています。

👉 参考:
全国スーパーマーケット協会
「スーパーマーケット白書 2024」
https://www.super.or.jp/wp/wp-content/uploads/2024/02/NSAJ-Supermarket-hakusho2024.pdf

📝 まとめ:年末は「売らない理由がない期間」

年末(12/28〜31)は、

  • 家庭内需要が最大化し
  • 買い上げ点数が増え
  • 単価が上がり
  • 関連販売が決まりやすい

グロサリーにとって最も“素直に売れる期間” です。

だからこそ重要なのは、

  • 迷わせない
  • すぐ見つけさせる
  • 一緒に買わせる

この3つだけ。

次の第7章では、
この年末売場を 「導線とPOP」 の視点から
さらに深掘りしていくで🔥

📚 参考データ・資料