パーティー需要と“あと1品”を制する

クリスマスの主役は生鮮…と思われがち。でも違います。

一般的にクリスマスといえば、
「ケーキ」「チキン」「オードブル」など、
どうしても“生鮮部門が主役”のように見えます。

しかし実際には、
グロサリーが動かせる売上インパクトは想像以上に大きいです。

なぜならクリスマスは、
「家でのパーティーメニューをそろえる日」=加工食品の需要が爆発する日
だからです。

この第2章では、クリスマス商戦における
グロサリー部門の本当の役割と、売上を最大化する戦略
を深掘りしていきます。

📌 クリスマス需要の裏付け(業界データより)

全国スーパーマーケット協会の「景気動向調査」でも、
12月は年間でも特に食品需要が伸びる月 とされ、
パーティー商材・惣菜・一般食品の伸び率が高いと報告されています。

参考:全国スーパーマーケット協会「スーパーマーケット景気動向調査」
https://www.super.or.jp/wp/wp-content/uploads/2024/01/tokei-20240123kam.pdf

📎 まずはおさらい(第1章)

➡ 第一章:12月の売場を制する5つのフェーズ

グロサリー最強戦略:クリスマスから正月まで“売場が主役になる”90日/第1章:12月の売場を制する5つのフェーズ 📘 このシリーズについて この記事は、全10章で構成される「グロサリー最強戦略:クリスマスから正月まで“売場が主役に...

🎯 1. グロサリーは“パーティーの土台”を支える部門です

クリスマスで最も売れる構成商品は、以下のような加工食品です。

  • スパゲティ・ミートソース
  • ピザミックス・グラタン材料
  • クリーム系調味料
  • クラッカー・ディップ商品
  • スパークリングジュース・ワイン
  • チョコレート・菓子類
  • ケーキ素材(ホイップ・ジャム・スポンジ)

これらはすべてグロサリーが握るカテゴリーです。
つまり パーティー料理の“根幹”がグロサリーに集中している ということです。

生鮮だけではクリスマスは成立しません。
売場の流れを作るのは、実はグロサリーです。

たしかにグロサリーの商品がないと、生鮮食品があっても意味ないもんね

🎁 2. クリスマスは「男性客比率」が急増するイベントです

12/23〜25の夕方にかけて、
明らかに男性客の割合が上昇します。

理由はシンプルです。

  • 仕事帰りに「買ってきて!」と頼まれる
  • 子どものために急きょ買いに来る
  • ケーキやチキンを受け取るついでの導線でグロサリーへ来る

男性客は “迷うのが苦手” なので、
以下の3つが特に効果を発揮します。

あまり比較とかせず、正解だと思ったらその場にあるもの買っちゃう

✔ わかりやすい陳列

→ 見た瞬間に理解できるように、シンプルに。

✔ 横並びの関連陳列

→ 「チキンの横にパスタ」「ケーキ素材の横にホイップ」のように、関連商品を近くに。

✔ “買い忘れ救済棚”

→ 必要なものがすべてそろう小型コーナーを設ける。

これらが機能すると、
店全体の売上が一瞬で跳ね上がります。

🍽️ 3. クリスマスの商品配置は “色” を使うと強くなります

クリスマスの世界観を作るうえで、
赤 × 緑 × 金(ゴールド) の3色は最強です。

この配色が棚に入るだけで
遠くから見たときの視認性が跳ね上がり、
“季節コーナー”として一瞬で認識されます。

【具体例】

  • 赤いホイップ箱をゴールデンゾーンに置く
  • 緑のパスタパッケージで棚の左右を固める
  • ワイン・ジュースの金色ラベルを前出しする

色の設計だけで 売場の立ち上がり速度が劇的に変わります。

色が持つ力は絶大!適切な色選びでお客様の印象はかなり違うよ!

🧩 4. グロサリーは“あと1品”が単価を押し上げます

クリスマスは、
買い上げ点数が1点増えるだけで売上が爆発する唯一のイベントです。

理由は…

  • パーティー需要=関連商品が複数必要
  • 「失敗したくない日」なので迷ったら買う
  • 単価が高いカテゴリーが多い(酒・菓子・調味料など)

だからこそ、
“あと1品”の最適配置が売上の要になります。

【置くべき場所】

  • レジ前 → クラッカー・チョコ・紙皿
  • ケーキ素材コーナー → ホイップ追加
  • チキン周辺 → パスタ・ピザ
  • 酒コーナー → つまみ・チーズ

刺さる位置に置くだけで
売場が勝手に売れていきます。

🧭 5. クリスマス販促は“導線 × 視線”で決まります

12月は普段とは客層も動線も変わります。

【導線の考え方】

  • 入口 → パーティー材料
  • 主通路 → ワイン・ジュースを分散配置
  • 精肉導線 → 即席グラタン・パスタ
  • レジ前 → ケーキ素材・あと1品

【視線の法則】

  • 左上 → 右下に流れる Z型視線
  • 客が止まる高さ= ゴールデンゾーン

この2つを使うだけで、
売場が “語り出す” 棚へ変わります。

ここでも見せ方の技術が活躍します!

👁️ 見せ方の科学⑤:Z型視線理論で“売れる棚の動線”をデザインする 視線を制する者が、売場を制する 人は商品を選ぶ前に、まず「見る」ことで判断しています。つまり、視線の動き方=購買の思...

📝 まとめ

クリスマスのグロサリーは、
実は店全体の売上を左右する 「エンジン」 のような存在です。

  • パーティー需要の土台を支える
  • 男性客の導線設計ができる
  • 色で季節感を演出できる
  • “あと1品”で単価を上げられる
  • 視線と導線を使って売れる棚を作れる

次の第3章では、
12/23〜25の最大山場をどう乗り切るかを実務レベルで解説します🔥

📎 この記事で参考にしたデータ・資料