正月売場は“速度”がすべてを決める

クリスマス商戦の熱気がピークに達する12/25。
その日の夜、グロサリーにとって 最も過酷で、最も重要な時間 がやってきます。

それが――
12/25深夜〜12/26朝にかけての「売場総入れ替え」 です。

クリスマスが終わった瞬間から、お客様の頭の中は 完全に「お正月モード」 へ切り替わります。
つまり、12/26の朝にお客様が店に入った瞬間、
“正月売場が完成していない” = 売上の大きな取りこぼし につながります。

だからこそ、この時間帯の動きは
スピード
優先順位
導線設計

この3つで勝負が決まります。

そしてこの章では、
グロサリーがどう動けば、最速で“売れる正月売場”に切り替えられるか を徹底的に解説します。

勝負時!!!

🔄 1. クリスマス残品処理の鉄則:まず“見せない”こと

12/26朝にクリスマス商品が残っていると、お客様は一気に冷めてしまいます。
まず最初にやるべき作業は 「クリスマスの痕跡を消す」 ことです。

✔ 優先して片付けるべきもの

  • クリスマス柄パッケージ
  • ケーキ素材(季節感が強く残る)
  • 赤・緑の装飾POP
  • 季節エンド展開

✔ やってはいけない

× 日中に残品をズラッと並べて“値下げ感”を晒す
→ お客様の気分が正月に向かなくなる

撤去 → 倉庫 → 値下げ判断 の順で進めると効率が良いです。

売れ残る前の値下げ判断も時には必要ですね

🎍 2. 正月売場の“最優先ゾーン”はここだ

時間がなくても、この3つ を仕上げるだけで正月立ち上がりは成功します。

⭐ 優先ゾーン①:主通路(入口〜精肉前)

正月食材の柱をここにまとめて配置します。

  • もち
  • だし・醤油
  • かまぼこ・伊達巻
  • 栗きんとん・黒豆セット
  • そば・うどん

理由:
お客様が12/26に最初に探すのはこのラインナップだからです。

⭐ 優先ゾーン②:年越しそば関連

12/26〜31で最も回転するカテゴリーのひとつ。

  • そば
  • めんつゆ
  • 乾燥ねぎ
  • 天ぷら粉
  • カップ天ぷら
  • 地域特有の具材

補足:
そば単品だけだと弱いので、「そば × 天ぷら × めんつゆ」 のセット感が大事。

⭐ 優先ゾーン③:おせち用途別コーナー

「作る人」と「買う人」が混在するため、用途別に整理すると圧倒的に買いやすくなります。

  • だしを使う料理
  • 黒豆・栗きんとんなど“甘味系”
  • 昆布巻き・田作りなど“伝統系”
  • 祝い箸・重箱・お飾りなど“雑貨系”

“目的でまとめる”=正月売場の基本設計 です。

3. スピード切り替えのコツ:手順を決めておく

売場切り替えが遅い店舗には共通点があります。
それは 「どこから触るか決まっていない」 ことです。

✔ 最速の手順

  1. 主通路の装飾から入る(雰囲気を一瞬で変える)
  2. もち・だし・醤油 を主通路に出す
  3. 年越しそばコーナーを固める
  4. おせち用途別コーナーを形成
  5. 欠品補充 or フェイス拡大でボリュームを作る

特に ①の「雰囲気づくり」 が強烈に効きます。
POP・紅白・金色の装飾を変えるだけで売場は正月になるからです。

クリスマス同様、色の演出が大事!

🧠 4. 正月売場は“ボリュームで売る”

クリスマスは“色”で売り、
正月は“ボリューム”で売ります。

理由は簡単。

正月の買い物は 「まとめ買い」 が中心だからです。

逆を言えば他の場所で正月の買い物をされたお客様は、         自分のところでは買ってくれないよね

✔ だから強い陳列

  • もちの山積み
  • だしのフェイス拡大
  • 醤油の島陳列
  • そばの前出し

「いっぱいある“安心感”」が購買を後押しします。

✍️ まとめ

12/26朝に “完璧な正月売場” ができているかどうかで、年末の売上はほぼ決まります。

  • クリスマスの痕跡を消す
  • 正月の優先ゾーンを最速で作る
  • 手順を固定してスピードで勝負
  • ボリューム陳列でまとめ買いを促す

グロサリーが売場の空気を変える瞬間が、この数時間に凝縮されているんです。

📎 参考資料