
― お客様の足を止める“売場のステージ設計” ―
スーパーの中で、もっともお客様の視線が集まる場所――それがエンド展開です。
通路の終点にあるあの棚は、ただの延長スペースではありません。
お客様は歩いているとき、無意識に「正面」を見ています。
その視線がぶつかる先にあるのが、まさに“エンド”。
だからエンドは、
「たまたま目に入った」ではなく「視線のゴールとして見られる棚」。
ほんの数秒でも足を止めてもらえれば、その売場は“100の棚より強く”なるのです。
今回は、そんなエンド展開を
“主役をつくるステージ”として設計する技術をお伝えします。
🔄 前回②のおさらい
前回の 陳列技術②「山積み陳列の心理と注意点」 では、
“多い=安い”というお客様の心理を使い、
量を“お得に見せる”ための山積みテクニックを解説しました。
山の高さ・幅・整列感をデザインすることで、
値引きせずに売場の印象を変える方法がポイントでしたね。
そして今回のテーマは、その流れを受けた 「主役をつくるエンド展開」。
量で魅せる②とは違い、③では視線の集まる場所で “何を伝えるか” を設計する章になります。
⭐ ① エンド展開が“主役棚”と呼ばれる理由
エンドは、売場の中でも圧倒的に視認性が高い場所です。
理由はシンプル👇
✔ 視線の終点が「正面の壁」だから
人は歩くとき、左右ではなく“進行方向=真正面”を見る習性があります。
エンドはその視線の“着地点”。
だからこそ、目に入った瞬間、「なにこれ?」と注目が集まりやすいのです。
注目してもらえる内容にしておかないといけないね
✔ 陳列スペースは狭いのにインパクトは最大
定番棚より狭い場所なのに、
印象の強さは棚10本分、いやそれ以上。
だからこそ、ここに置く商品は
「売りたいもの」「今伝えたいテーマ」の2つに絞るのが鉄則です。
🎯 ② 成功するエンド展開:3つの黄金原則
エンド展開の成否は、たった3つで決まります👇
① テーマを一言で伝えるPOP
エンドで最も大事なのは、「何の売場か、3秒で伝わること」。
例:
- 「今夜はカレー!」
- 「簡単朝ごはん特集」
- 「迷ったらこれ!」
“テーマ=売場のキャッチコピー”
これが弱いと、お客様は素通りします。
売場に突然商品おすすめPOPが出てきたら思わず見ちゃうよ
② 主役商品を中央に置く
エンドは“舞台”。
真ん中に立つのが主役(メインSKU)。
主役が決まると、
「何を見せたい棚なのか」が一瞬で伝わるようになります。
✔ 主役は高さ:お客様の胸の高さ
✔ フェイス数:定番棚より1〜2倍
✔ 色や形:見た目が強いものが優先
③ サブ商品で「あと1品」をつくる
主役だけ積んでも流れは弱い。
その両脇に“関連商品”を置くことで購買率が跳ね上がります。
例:
- パスタ主役 → ソース・粉チーズ
- カレー主役 → 福神漬・ナンミックス
- お鍋主役 → 鍋つゆ・うどん・ポン酢
エンドは定番棚よりも“提案力”を出せる場所。
ここで「セット買い」を作るのが売上アップのカギです。
わざわざ移動しなくてもこの場所で揃う、かゆいところに手が届く売場だとお客様も満足だね
⚠ ③ 失敗するエンド展開:よくある3つのNG
成功するエンドは簡単やけど、
失敗するエンドはもっと簡単です。
❌ ① テーマがない
バラバラの商品が置かれているだけで、
「なんの売場?」と分からずスルーされる。
❌ ② 主役がいない
すべての商品を均等に置いてしまい、主役が埋もれる。
“見てほしいものが分からない棚”は効果ゼロ。
❌ ③ 手前が欠けている
エンドの命は“第一印象”。
手前が欠けていたり、山が崩れていたりすると
「やる気のない売場」「管理不足」に見えて逆効果。
🔁 ④ エンドは“リズム棚”として機能させる
売場全体を音楽にたとえるなら、
エンドは“サビ”のような部分。
お客様は
通路 → エンド → 通路 → エンド…
と、売場のリズムに乗って歩きます。
だからこそ、エンドを整えると👇
- 店全体にメリハリが生まれる
- 動線のテンポが良くなる
- 店全体が“元気な売場”に見える
さらに、
Z型視線理論やハロー効果とも相性抜群。
視線が集まる場所で“強い商品”を見せるからこそ、
売場全体の動きが良くなるのです。
🛠 ⑤ エンドはチームでつくる!「維持ルール」の重要性
エンドは崩れやすい売場。
だから、個人ではなく“チームで運用する”仕組みが必須です。
チームでの共有が非常に大事です!
📋 ルール例
- 設営日を固定(毎週◯曜日)
- POP更新タイミングを統一
- 開店前・ピーク後・閉店前の回復時間を決める
- 主役商品は必ず“満タン”を維持
これだけで、
エンド=「常に元気・勢いのある売場」
が保てます。
✅ まとめ
エンド展開は、売場の中で最も“見られる棚”。
だからこそ、
ただ並べる場所ではなく、“主役をつくるステージ”
- テーマ
- 主役
- 関連
- POP
- 手前のフェイス
この5つを意識するだけで、
今日の売場が“ワンランク上のプロの棚”に変わります。
🗣 トレーナーコメント
「エンドは“目立てばいい”んちゃう。
見せるべきものが、気持ちよく伝わる棚や。」
主役が決まった瞬間、売場は変わる。
今日のエンドも、ひとつだけ“絶対に見せたい商品”を決めて作ろうや🔥
🔗 参考リンク
- Endcap(エンドキャップの概念)
https://en.wikipedia.org/wiki/Endcap - 店舗視認性の研究(参考)
https://edepot.wur.nl/369091



