
「処分」ではなく“安心”と“納得”を伝える売場づくり
お客様にとって「値下げ棚」は、
“お得なものが見つかる宝探し”であると同時に、
“品質に不安を感じる場所”でもあります。
「ほんまに大丈夫?」
「なんで安くなってるんやろ…?」
「どれが新しくて、どれが古いんや?」
そう感じる売場は、値下げ価格よりも
“お店への信頼”の方が大きく減ってしまいます。
安ければ安いほどいいけど、賞味期限や商品状態は必ず確認するわ
つまり値下げ棚は、
価格より“印象”が売上を左右する棚。
見た目が雑だったり、説明がなかったり、欠けていたりすると
お客様は「安い=理由がある」ではなく
「安い=危ないかも」と感じてしまう。
逆に、
- 整っていて
- 清潔で
- 理由が明確で
- 安心感がある棚
は、お客様にとって
「これなら買っても大丈夫やな」
という安心と納得を生みます。
値下げ棚を丁寧につくれるスタッフは、
“店の信頼を守るスタッフ”でもあるんです。
今回は、値下げ棚を
“処分の棚”ではなく“安心の棚”に変える5つの技術
を、現場目線で詳しく解説します。
🔄 前回④のおさらい(自然に差し込んだ版)
前回の
👉 陳列技術④:関連陳列で“ついで買い”を狙う
では、商品同士の“つながり”を見せることで
お客様の記憶のスイッチを押し、買上点数を伸ばす方法を扱いました。
📌 ④のポイントはこの3つ
- “見る → 思い出す → ついで買い”の流れを生む陳列
- 主役 → サブ → 補助 の強弱づけで伝わる棚に
- 使う場面をイメージしやすい距離に配置する導線設計
④は 「買うきっかけをつくる陳列」。
そして⑤は、
「買っても大丈夫と思ってもらう陳列」。
“買う理由”を作ったあとに
“買う安心”を作る流れは、売場づくりの基本です。
⭐① 値下げ棚は“清潔であること”が最優先
(見た目=安心感の第一印象)
値下げ棚の第一印象を決めるのは、
値段よりも“見た目の清潔さ”です。
✔ ラベル・赤札はまっすぐ
シワ・曲がり・重ね貼りは
“雑に管理されている”印象を与えてしまう。
1枚1枚キレイに貼るだけで信頼度が段違い。
✔ フェイスは定番棚以上に整える
お客様は値下げ棚に“整っていない前提”を持っています。
だからこそ、
定番棚よりもキレイに整っていると一気に信頼が増す。
✔ 欠けは絶対NG
手前が大きく欠けている棚は
「人気だから売れている」ではなく
「管理されていない」「売れ残り感」に見える。
✔ ホコリ・シール跡・汚れは即アウト
値下げ棚に汚れがあるだけで
“古いものを安く売ってるんじゃ…”
という不安につながる。
シール跡って時間がたったらほんと取れない・・・日々の徹底が大事ね
⭐② 値下げの「理由」を明確に伝える
(不安を消すのは“情報”)
お客様がもっとも気にしているのは
“なぜ値下げされているのか”という理由。
理由が書いていないと、
お客様は勝手に悪い想像をしてしまう。
逆に、理由がわかると
「なるほど、そういうことね」と安心する。
✔ よくある理由
- 賞味期限が近い(◯日まで)
- パッケージ破損
- 店頭入替えのため
- 生産終了品のため
- 季節売場切り替え
✔ POPで理由を一言添えるだけで安心感UP
例:
- 「品質には問題ありません」
- 「賞味期限○日までのため」
- 「売場切り替えのためお買い得」
値下げ棚の印象を変えるのは、
赤札よりも“理由の透明性”です。
⭐③ “処分感”を消すレイアウトにする
(売れ残り感 → お得感 へ)
値下げ棚が売れない原因のほとんどはこれ👇
“処分感”が出てしまうこと。
❌ ただ箱ごと置いてある
→ 雑・適当・売れ残り感
❌ ランダムに積んである
→ ゴチャゴチャして品質が心配になる
❌ 山積みは逆効果
「古いもの大量に出された!」という印象に。
✔ 処分感を消すレイアウトの方法
① 少量でも“整列”で魅せる
商品数が少なくても
整列と余白があれば“丁寧に扱われている”棚に見える。
② 色と形をそろえる
パッケージの色が揃うと統一感が出て高見えする。
③ 前後段差で見やすく
後ろを少し高くするだけで“探しやすい棚”になる。
同じ値下げ商品を並べるのでも、①~③を意識するだけでかなり印象が変わりますよ!
⭐④ お客様に“得した感”と“安心”を伝えるPOP
(POPは値下げ棚の生命線)
値下げ棚においてPOPは
“お店の声”そのものです。
✔ 安心POP
- 「品質には問題ありません」
- 「賞味期限○日までのため」
- 「パッケージ傷ですが中身は通常品です」
✔ 得した感POP
- 「今だけ」
- 「売場切替のため特価」
- 「人気商品のお得な理由付き値下げ!」
✔ 色使いは最小限
赤・黄を使いすぎると
“投げ売り”“安売り専門店感”が出てしまう。
白+赤の2色程度に抑えると
清潔感を保てる。
⭐⑤ 値下げ棚は店の印象を決める場所
(ブランド維持=ルール作り)
値下げ棚は、
“その店の品格が出る棚”です。
どれだけ定番棚がキレイでも、
値下げ棚が雑だと
お客様は「この店、管理できてる?」と感じてしまう。
1人で管理するのは広い売場では難しい!チームで方向性を揃えよう!
✔チームでルール化
- 朝礼で値下げ棚チェック
- 回復担当を決める
- ラベル、POP貼り方の統一
- 残量の判断基準を決める
✔ 値下げ棚は“ブランドの一部”
丁寧な値下げ棚を作れる店=
“信頼できる店”として印象が格上げされる。
🔚 まとめ
値下げ棚は、
「処分」ではなく「安心と納得」を提供する場所。
そのためには、
- 清潔感
- 理由付け
- 処分感の排除
- 安心POP
- チームでの管理
この5つを丁寧に整えるだけで
値下げ棚は“売れ残りの場所”ではなく
お客様に喜ばれる棚に変わります。
🗣 トレーナーコメント
「値下げ棚は、お店の優しさが出る棚やで。
安さより“安心”を伝えられるスタッフはほんまに強い。」
🔗 参考リンク
- Price optimization(価格政策の概念)
https://en.wikipedia.org/wiki/Price_optimisation - 食品ロス・廃棄に関する研究(値下げ運用と関係が深い)
https://edepot.wur.nl/527578



