売上に悩む人必見 商品の見せ方

🧠 見せ方の科学②:認知負荷理論で“見やすい棚”を作る

― 整理された売場が売上を変える理由 ―

「棚を整える」――それは単なる見た目の話じゃない。
実は、お客様の“脳の負担”を減らす行為なんです。

私たちは普段、売場に立つと「きれいに並べよう」と思います。
でも“なぜ整っている棚が売れるのか”を説明できる人は意外と少ない。
そのヒントは、前回の記事
👉 「見せ方の科学①:バーチカル理論で“売れる棚”を作る」
でも紹介した、「視線の流れと見せ方の設計」にあります。

🏪 見せ方の科学①:バーチカル理論で“売れる棚”を作る ― ホリゾンタル陳列との違いで変わる、視線と購買心理 ― 「商品を並べる」って、ただの作業じゃない。実は“見せ方の科学”でできて...

今回のテーマは、その視線設計をさらに深めた「認知負荷理論(Cognitive Load Theory)」です。


👀 なぜ“整った棚”は売れるのか?

人は買い物中、1分間に平均約90種類の情報を目にしていると言われます。
つまり、どの棚を見るか・どの商品を選ぶか――
それは「情報処理能力」との戦い。

乱れた棚では脳が混乱して、「考える」コストが増えます。
結果、無意識にこう感じる👇

「なんか見にくいな…」
「また今度にしよう」

これが“認知負荷”です。
脳が疲れると人は行動しなくなる――つまり、「買わない」

という選択をします。


🧩 認知負荷理論とは?

認知負荷理論とは、教育心理学者ジョン・スウェラーが提唱した学習理論で、
「人間の作業記憶(ワーキングメモリ)には限界があり、情報が多いほど理解・判断が難しくなる」という考え方です。

これを売場に置き換えると、こうなります👇

  • お客様は棚の前で「情報を処理」している
  • 情報が整理されていない=脳に負担
  • 結果、購入判断が遅れたり、離脱する

つまり、売場づくりは「お客様の認知負荷を下げる設計」
“見やすさ”はデザインではなく、心理学に裏づけられた戦略です。


🛒 売場で起こる“認知負荷”の実例

状況お客様の心の声結果
同じ商品がバラバラに並んでいる「どれが同じかわからない」比較できずスルー
ラベルの色・形が混在している「目がチカチカする」情報が処理しきれない
POPが多すぎて主張が競合している「どれを読めばいいかわからない」判断疲れで離脱
割引や新商品の情報が一度に詰め込まれている「一瞬で理解できない」興味を失う

👁️‍🗨️ 脳が混乱した瞬間、「買わない」という判断が最も楽な選択肢になります。
だからこそ、“見やすさ=購買心理への最短ルート”。

なにがなんだかわからないよ~


📊 認知負荷を下げる棚づくり3原則

① 情報の「整理」

伝えたい情報を1つの棚・1つの段に1テーマで完結させる。

特売も新商品もおすすめも全部POP
✅ 「今週の人気カレー特集」など目的を一本化

→ 目的が明確な棚ほど、脳は迷わず行動できる。


② 視覚の「整流」

目が自然に流れる方向に合わせて、陳列のリズムを整える。

上から下、左から右に、色・サイズ・形を一定の法則で並べる。

💬 「視線の流れ」がスムーズな棚は、“見やすさ”という無言の接客になる。

ポイントは“同じ要素はそろえる”。
例えば、ボトルの高さ・ラベルの色味・棚のラインを揃えるだけでも
印象がぐっと整い、認知負荷が下がる。


③ 余白と静けさの「設計」

売場は「情報を見せる場所」ではなく「情報を選ばせる場所」。
余白を残すことが、脳にとっての“休憩ポイント”になる。

💡 棚の7〜8割を埋め、2割を“空気”として残す。
→ その余白が“見やすさ”を生む。


🧭 実践:3秒で伝わる売場を作る

人の脳は3秒以内に「理解できるか」判断する
だから、3秒で「何を伝えたい棚なのか」がわかる構成が理想。

🧩 チェックポイント

  • 棚を3秒見て“何コーナーか”即答できる?
  • POPが目立ちすぎて主役(商品)が隠れてない?
  • 商品カラーは整理されている?

🎨 図解:見やすい棚 vs 認知負荷の高い棚

→ 左:色バラバラ、POP多い、情報過多
→ 右:色整理、視線導線あり、スッキリ理解

この1枚で、「見やすさ=脳へのやさしさ」ということが直感的に伝わる。


💬 現場の工夫例

👇 あるスーパーでは…
飲料棚を「ブランド別」から「用途別(スポーツ・日常・リラックス)」に整理しただけで、売上が1.3倍にアップした。

理由は単純。
「どれを選べばいいか」を考えなくて済む棚に変わったから。

ブランド別だと、水がいろんな場所に散らばっている          みたいなことが起こるもんね・・・それは見にくいね(笑)


🧠 まとめ:「見やすさ」は最高の接客

整理された棚は、無言でお客様を導く。
「ここに欲しいものがある」と感じてもらえた瞬間、
それが“売れる棚”の条件。

💬 結論

  • 認知負荷を減らす=お客様にやさしい売場
  • 見やすい棚は“考えなくていい安心感”をつくる
  • 見た目の整理は、購買心理の整理でもある

🔗 参考リンク集

  • “売れる商品陳列のテクニック6選!売れるディスプレイのコツも” — 株式会社フィールドマーケティングシステムズ監修。陳列の基本と売場作りの考え方を広く解説。 fmsnet.co.jp
  • “商品陳列のコツは?売り上げアップにつながるポイントや…” — ホリゾンタル・バーチカル陳列など陳列手法5つを紹介。 クリエイティブアルファ |
  • “陳列の基本技術「上下の法則」「左右の法則」を知っています” — 縦/横の陳列理論を「発見段階」「選択段階」の視線設計とともに解説。 MD NEXT
  • “商品陳列の目的とは?業態による違いやスーパーでの売れる…” — バーチカル・ホリゾンタルの定義と使い分けを明確に示した記事。 流通・小売業界で働く人の情報サイト_ダイヤモンド・チェーンストアオンライン
  • “スーパーの売り場作りのコツとは?商品陳列の工夫を紹介” — 商品陳列を「見つけやすさ」「選びやすさ」で整理、陳列手法も紹介。 セーフィー株式会社

🪄 次回予告:見せ方の科学③

次は「ゲシュタルト原則(人が“まとまり”を感じる法則)」。
人の脳が“整って見える”瞬間を科学的に解き明かしていく。
陳列の“リズム”と“統一感”を、心理の面から深掘りします🧩