
視線を制する者が、売場を制する
人は商品を選ぶ前に、まず「見る」ことで判断しています。
つまり、視線の動き方=購買の思考順序。
棚の前で立ち止まったお客様の視線を観察すると、
目は常に 左上 → 右上 → 左下 → 右下 のZパターンで動いています。
これは「情報を読む」文化と同じ流れ。
言い換えれば、視線の導線を設計することは、売場を“読む”体験に変えることなんです。
🧩 前回の振り返り
前回の 「見せ方の科学④:アンカリング効果で“売れる価格”をつくる」では、
「最初に見た価格が購買判断の基準になる」という心理を活用し、
価格の“印象設計”について学びました。
そして今回では、その「最初に見せる位置」に焦点を当てます。
つまり、“価格”の前に、“目線”で価値を決めるステージです。
👁️ Z型視線理論とは?
Z型視線理論(Z-pattern theory)は、
人間が情報を視覚的に処理するときに、無意識に「Zの字」状に目を動かすという心理学的理論です。
📈 欧米でも日本でも共通して確認されており、
- 左上が「注目の起点」
- 右上が「比較・判断ゾーン」
- 左下が「補足・検討ゾーン」
- 右下が「決定・行動ゾーン」
として働くことがわかっています。
この流れを意識するだけで、売場は“見やすく伝わる棚”に進化します。
たしかに左上に目が最初にいくことが多いかも
🛍️ 売場でのZ型設計3ステップ
① 左上ゾーン:第一印象をつくる「主役の商品」
最初に目が行く左上には、
「お客様の目を止めたいもの」を必ず置きましょう。
💡 ここは「一目惚れゾーン」。
新商品・期間限定・主力ブランドの顔など、棚の中で“最初に見せたい主役”を置く。
POP例:
🌟「新登場!」
🏅「人気No.1」
🧃「まずはこれから試して!」
「最初の視線=第一印象」。ここを外すと、他がどれだけ良くても伝わりません。
② 中央ライン:比較・納得を生む「理解のゾーン」
視線が右方向へ流れる途中には、“納得材料”を置くのがコツです。
ここは「比較」や「お得感」を示すエリア。
💡 たとえば:
- 「2個で◯円」POP
- 「人気No.1と比べてコスパ◎」POP
お客様の頭の中で、“自分にとって得か損か”を計算している場所です。
ここで迷わせず“答えを導く”見せ方を心がけましょう。
左で注目した商品と、似ている種類で価格が違うものがあれば もっと見ていきたいなって思うな!
③ 右下ゾーン:行動を引き出す「決定のゾーン」
Zパターンの終点である右下は、
「購入ボタン」に相当する位置。
つまり、“最後のひと押し”を入れるエリアです。
💡 有効なPOP例:
- 「まとめ買いがお得!」
- 「リピート率No.1」
- 「迷ったらコレ!」
“納得した後に行動させる”――それが右下の役割です
🧩 図解:Zパターン棚の構造
📊 Z型視線の流れ(売場例)

このように設計すると、
お客様の目線が“自然に流れる”売場になります。
👁️ Zラインを意識することで、
ただ並べるだけではなく、「目が動く→心が動く→手が動く」流れを作り出せるんです。
右下はPOPでなくても、つい手が動いてしまう商品でもOK! たとえば今週限定価格商品を置くと、決め手になることもあります
🧠 ZからFへ:現代の視線変化
近年、スマホやデジタルサイネージの影響で、
お客様の視線は「Z型」だけでなく「F型」にも変化しています。
📎 Z型=全体を流し見る(棚・通路)
📎 F型=情報を読み込む(POP・スマホ・小型陳列)
たとえば:
- 売場のメイン棚 → Zパターン設計
- 小型什器・キャンペーン棚 → Fパターン設計

視線の“深さ”を見極めて使い分けることが、
現代の売場設計における新たな必須スキルです。
🧩 現場でのチェックリスト
✅ 左上:主役商品 or 新商品を配置
✅ 中央:比較・お得情報で納得感を作る
✅ 右下:購買を後押しするPOPで締める
✅ 売場タイプに応じてZ型 / F型を使い分ける
✅ 視線の“止まる位置”をチームで確認する
💬 ポイント:
一度売場の写真を撮って、Zラインをなぞってみましょう。
視線が止まらない部分があれば、そこが「伝わっていないエリア」です。
🎨 現場事例:「ドリンク棚の視線設計」
某スーパーでは、ペットボトル飲料棚で以下の配置を実施。
| 視線位置 | 商品構成 | POP内容 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 左上 | 新発売の無糖紅茶 | 「紅茶派に、新しい選択を。」 | 注目率UP(滞留時間+20%) |
| 中央 | 定番緑茶・麦茶 | 「2本まとめ買いでお得」 | 販売点数+18% |
| 右下 | 特売スポドリ | 「まとめ買いで冷蔵庫ストック!」 | 買上点数+13% |
結果、棚全体の平均売上が約15%増加。
“視線の流れ”が購買行動を動かした好例です。
🎯 まとめ:「目線の流れが、購買の流れをつくる」
人の視線は、感情の最前線。
Z型視線理論を使えば、お客様の心の動線をデザインできます。
💬 結論:
視線を制する者が、売場を制する。
“見せる”から“導く”へ――売場づくりの進化はここから始まる。
🔗 参考リンク
- フェレプレ「Fの法則・Zの法則・Nの法則」:文字主体の読み物/画面レイアウトにおける視線パターン(F・Z・N)を整理。fereple.com
→ Web/縦長情報空間で「左上から右へ、下へ」という視線移動が起きやすい旨が解説されています。 - コニカミノルタ「視線誘導のやり方!棚割りを最適化して購買促進!」:実店舗・棚割り(売場)という文脈で「Z型/F型」の視線パターンを紹介。EX感性 – そのデザインを、 もっと「売れるデザイン」へ
→ まさに「売場」での視線設計というあなたの記事テーマに近い内容。 - ブランドラボ「視線誘導パターン?! F型・Z型・N型について」:Webレイアウトを中心とした視線パターン解説。Webブランディングでホームページをデザイン|Webブランディングラボ
🪄 次回予告:見せ方の科学⑥
ハロー効果(隣を売る戦略)
人気商品の“信頼の光”を隣に反射させる。
「売れ筋×新商品の連鎖反応」を、次回徹底解説します✨


