
お客様の“最後の3秒”を、見逃していませんか?
―「最後に見たもの」が購買を決める―
買い物が終わり、レジで会計を済ませて出口へ向かうお客様。
そのとき――視界の端に「季節の小物」や「ありがとうPOP」が見える。
たったそれだけで、
「なんかこのお店、感じいいな」
と心の中に温かい印象が残ります。
いろんなお店があって、ときどき違うお店に行くけど やっぱり最後は心に残るお店に戻るのよね
この“最後の3秒”こそが、売場の印象を決定づける魔法の時間。
人は、最初に見たものよりも、最後に体験したことを強く覚えている。
これを心理学では「終点効果(Recency Effect)」と呼びます。
つまり――
お客様の“出口の体験”をデザインできれば、
次の来店を呼び込む売場を作れるということです。
🧩 前回の振り返り
前回の「見せ方の科学⑥:ハロー効果(隣を売る戦略)」では、
人気商品の“信頼の光”を隣の商品へ反射させることで、
「売れ筋×新商品×利益商品」を連動して売る仕組みを紹介しました。
そして今回の⑦「終点効果」では、
“隣”ではなく“最後”に焦点を当て、
お客様の「記憶に残る売場」をどう設計するかを解説します。
🎯 先に結論!
お客様は、買い物全体の体験を「最後に見た印象」で記憶します。
つまり、“終わり方”をデザインできる人が、売場を制する。
心理学ではこれを「終点効果(Recency Effect)」と呼び、
人間の記憶や感情は“最後の瞬間”を最も強く残すという原理に基づいています。
🧠 終点効果とは?
終点効果とは、人が一連の体験を記憶するとき、
その「終わり(最後)」の印象が全体評価を左右するという心理現象のことです。
たとえば――
- 最後の一口が美味しいと、料理全体が「美味しかった」と感じる。
- 接客の最後の一言が丁寧だと、店全体の印象が良くなる。
買い物も同じです。
お客様は“最後に通った場所”“最後に触れた商品”で、
「この店よかったな」「また来よう」と感じるんです。
逆に言えば、途中が良くても最後が印象よくないと次につながらないわね!
🛒 売場での終点効果:出口は“記憶のゾーン”
売場をひとつの「体験の流れ」として見ると、
レジ前・出口付近=“記憶が定着する終点”です。
ここでどんな体験を与えるかで、
「次の購買」や「再来店意欲」が決まります。
🧩 終点ゾーンの3分類
| ゾーン | 目的 | 仕掛け例 |
|---|---|---|
| 🧃 レジ前ゾーン | 反射買い・小物訴求 | ガム・ミント・ポケット菓子・ティッシュ |
| 🌸 出口横ゾーン | 季節感・贈答訴求 | お花・限定お菓子・ギフト菓子 |
| 💬 会計後ゾーン | 感情リマインド | 「ありがとう」「またお越しください」POP |
💡 レジ前=“最後のひと押しゾーン”
人はレジ待ち中、手持ち無沙汰になる。
この「わずかな間」が“衝動買いのゴールデンタイム”。
ここでは、
- 100〜300円のプチプライス商品
- 季節小物(ハンカチ・除菌・ミニ飲料)
- 「ついで買い」訴求POP
などを置くのが鉄板です。
📍POP例:
「ついでにもう1つ!」
「お出かけ前に便利!」
「レジ横限定!」
🌸 出口棚=“記憶の残像ゾーン”
出口付近は“お客様が次回来店を決める場所”。
つまり、ここに「印象」を残すことが大切。
✅ 季節感を出す陳列(桜・夏祭り・ハロウィン・お正月)
✅ メッセージPOP(「またお越しください」など)
✅ 次回予告POP(「来週の特売はこちら!」など)
この「余韻設計」が、売場の温度を決めます。
イラスト付きだと目にもとまりやすい!!
💬 現場の成功事例
あるスーパーでは、
レジ前の空きスペースに「お疲れさまスイーツ」棚を設置。
- 売場テーマ:「1日の終わりに甘いごほうび」
- 商品構成:プリン、ミニチョコ、カップスイーツ
- POP:「今日も1日おつかれさま!」
結果、レジ横わずか1mの棚で、1週間平均+25%の売上アップ。
「最後に癒される体験」を提供したことで、再購入率も上昇しました。
🧭 図解イメージ(参考)

左から右へ流れるお客様導線。
右端(レジ・出口)に「光」や「ハート」マークがあり、
そこに「記憶ゾーン」「ありがとうPOP」「最後の印象が購買を決める」などの文字を添える。
🪄 実践チェックリスト
✅ レジ前に“反射買い商品”を配置しているか?
✅ 出口棚に“季節感”や“感情POP”があるか?
✅ 会計後のお客様が“気持ちよく出ていく”導線になっているか?
✅ 「最後の体験」が“また来たい”印象を残しているか?
🎯 まとめ:「最後の印象が、次の購買をつくる」
売場は、入口で惹きつけ、棚で納得させ、
そして出口で“また来たい”をつくる場所。
終点効果は、
「お客様の心を次の購買へつなぐ、最後のデザイン。」
つまり――
🧠 視線の終点は、記憶の始点。
💬 結論:
・最後の印象が次の来店を決める
・レジ前・出口を“感情の仕上げゾーン”に
・売場は「入り口から出口までのストーリー」で設計する
🔗 参考リンク(参考文献・外部サイト)
・デジタルシフト・ティーエスエム(DEI)(インストア・マーチャンダイジング実務研究会)
「領域別事例紹介 調査・コンサルティング」- レジ前売場の売上最大化に向けた棚割りパターンの構築と検証。 dei.or.jp
・ブレインパッド株式会社
「小売業の棚割作成の課題と最新アプローチ ― AIと現場知見を活用して」- 売場の導線・棚前行動とデータ解析に関する国内解説。 brainpad.co.jp
🪄 次回予告:第2章 陳列技術シリーズ 開幕!
バーチカル・Z型・ハローの理論を、実際の棚づくりでどう使う?
第2章では、現場で即使える“陳列技術”を体系化していきます🔥


