
🛒 山積みの“魅せ方”を考える前に
スーパーの売場で、お客様が思わず足を止める“山積みコーナー”。
積み上げられた商品は、まるで「今が買い時!」と語りかけてくるようです。
でもその山積み、“多ければ多いほど良い”と思っていませんか?
実はそこには、心理的な限界ラインがあります。
「ボリューム感がある=お得に感じる」のは確か。
しかし、積みすぎると逆に“雑然とした売場”“安っぽい印象”になり、
お客様の購買意欲を下げてしまうこともあるのです。
この記事では、山積み陳列の「心理効果」と「やりすぎ注意点」、
そして現場で実践できる“ちょうどいい山”のつくり方をお伝えします。
🧠 ① 山積みが“お得に見える”心理とは
人の脳は、量が多いものを“価値が高い”と感じるようにできています。
これは心理学でいう「豊かさの錯覚」や「スノッブ効果」と呼ばれるもの。
たとえば、同じ価格の商品が
- 1列だけ並んでいる棚
- 山のように積まれた平台
にあったとき、後者のほうが「安く」「勢いがある」ように感じます。
なんかお買い得なのかな?って思っちゃうね!
なぜか?
お客様は、“量=売れている=人気がある”という無意識の連想をしてしまうからです。
📘 参考研究:
習慣型購買商品におけるブランド選択と陳列効果(日本マーケティング学会誌)
→ 実際にフェイス数(前面数)を増やすことで販売率が上がる傾向が報告されています。
つまり山積みは、価格を下げずに“安く感じさせる”最強の演出技術でもあるのです。
🏗️ ② 効果を最大化する“バランス”の条件
山積みの成功は、「高さ・幅・整列感」の3つで決まります。
1️⃣ 高さ:お客様の腰〜胸のラインまでがベスト。
→ 高すぎると圧迫感、低すぎると存在感が弱まります。
2️⃣ 幅:広げすぎず、視野に収まる範囲に。
→ 「ひと目で山の全体が見える」ことが安心感につながります。
3️⃣ 整列感:量の多さの中にも秩序を感じさせる。
→ パッケージの向き・色・段差をそろえるだけで“清潔感のある山”に。
💡 “無秩序な山”は「安い」ではなく「雑」に見える。
だからこそ、「整っているけど勢いがある」が理想の形です。
ただ山積みしてるだけじゃダメなんだね
⚠️ ③ やりすぎ陳列の3つの落とし穴
どんなにインパクトがある山でも、“やりすぎ”は逆効果。
代表的なNGパターンはこの3つ👇
❌ 1. 高すぎて視線を遮る
→ お客様の視界を分断し、通路の見通しを悪くしてしまう。
❌ 2. 崩れやすい構造
→ 商品が落ちるリスクは“安全性”の印象にも直結。
崩れた売場は、「管理が行き届いていない」と見なされてしまいます。
❌ 3. 季節・テーマと合っていない
→ ただの「量売り」は一過性。
“なぜこの時期にこの商品を山積みにしているのか”という理由が必要です。
🧩 特にグロサリーでは、「定番×季節テーマ(例:カレー×夏)」のように、
量の中にストーリーを添えることで購買率が跳ね上がります。
🎯 ④ 陳列高さと視線の黄金比
山積みは高さの印象が命。
でも「高さ」だけではなく、「お客様の視線の動き」との連動が大切です。
ここで思い出したいのが、以前のシリーズで紹介したZ型視線理論。
お客様の視線は、左上から右下へ「Zの字」を描いて流れます。
だから、視線が交差する位置(中央〜右中段)にボリュームの頂点を置くと、
お客様の注意が自然に集まりやすくなるのです。
🧠 関連記事:
👉 見せ方の科学⑤:Z型視線理論で“売れる棚の動線”をデザインする

🧩 ⑤ チームで守る“山の高さルール”
せっかく整えた山積みも、時間が経てば崩れてしまうのが現場の常。
そこで大切なのは、「チームで維持できる仕組み」をつくることです。
📋 たとえばルール例:
- 開店時:山の高さ100%(魅せる)
- ピーク後:70%(整える)
- 閉店前:50%(安全・清掃優先)
このルールを共有しておくと、どの時間帯でも“整った山”を保てる。
さらに「誰が見ても同じ形に戻せる」ことで、育成にも役立ちます。
1人で管理するには限界がある!チームメンバーに理解してもらって、チーム全体で維持に努めよう!
✅ まとめ
山積み陳列とは、“量で売る”のではなく、“印象で売る”技術です。
量を盛るのではなく、「多く見せる設計」が大切。
- 高さと幅のバランス
- 整列感と清潔感
- チームで守る維持ルール
この3つを意識するだけで、
同じ商品でも「お得そう」「勢いがある」と感じてもらえる売場に変わります。
🗣️ トレーナーコメント
「山積みは“ドカ盛り”やない。“見せ方の演出”や!」
ただ積むだけじゃなく、“理由ある山”をつくる。
その一手間が、お客様の“カゴの中身”を変えるんやで🛒🔥
🔗 参考リンク
💡 次回予告
次回は「陳列技術③:エンド展開で主役をつくる」。
お客様の“足を止める力”を生む、黄金のエンド設計を掘り下げます!


