
売場を“行事で語る”ストーリーづくり
スーパーの売場は、年間を通して“季節”によって表情が大きく変わります。
節分、お花見、梅雨、夏、ハロウィン、年末…。
しかし、お客様は「季節だから」自動的に商品をカゴに入れているわけではありません。
お客様が動く瞬間は、
「季節の空気を感じたとき」
「その季節を楽しみたい気持ちが生まれたとき」
です。
つまり季節陳列とは、
商品を並べる仕事ではなく、“季節の物語”を演出する仕事なのです。
例えば、
- そうめん売場の清涼感ある布とガラス小物
- BBQコーナーのアウトドア風背景
- お盆売場の「家族で囲む食卓」を想起させる配置
こうした“季節のシグナル”によって、お客様は自然に
「今これが必要なんだ」
と感じ、手が伸びやすくなります。
季節のイベント事ってスーパーで買物してると「あ!そんな時期か!」って思い出すことが多いんだよね!
🔄 前回⑤のおさらい:値下げ棚は“安心感”づくり
前回の
👉 陳列技術⑤:値下げ棚の印象を変える
では、値下げ棚を“処分品の集まり”に見せるのではなく、
「安心して買える棚」に育てる技術を解説しました。
- 清潔で丁寧な見せ方
- 透明性ある理由POP
- 処分感を消すレイアウト
- 安心感を生む色使い
- チームでの運用ルール化
⑤は、商品の“信頼”を守る大切な回でした。
そして今回の⑥は、
その逆で “季節の楽しさ”を最大化して売場を動かす回” です。
安心の次は、気分を盛り上げる演出です。
シリーズの流れとしてもここはめちゃ大事なポイントになります。
⭐① 季節陳列は「期間設定」が命
季節陳列がうまくいかない原因の多くは、
「なんとなく並べてしまう」ことにあります。
季節陳列では、
商品を並べる前に “時間(スケジュール)を設計する” ことが最優先です。
✔ 期間設定の基本
- 立ち上げ日(始める日)
- ピーク日(もっとも売れる日)
- 終了日(切り替える日)
この3つを決めることで、
“どれだけ仕掛けるか”“どの時期にボリュームを変えるか”が自動的に決まります。
🌾 季節商品の具体例
🥢 例①:そうめん(超長期型)
- 立ち上げ:5月中旬(気温25℃を超え始める頃)
- 先行仕掛け:涼色POP・小面積で季節感を出す
- ピーク:7月中旬〜8月上旬
- 投下量:年間最大の麺つゆ・薬味展開
- 終了:9月上旬
🍛 例②:夏カレー(中期〜長期)
- 立ち上げ:6月上旬(梅雨入り直後)
- ピーク:暑くなる7月下旬〜8月上旬
- 関連:トマト缶、スパイス、福神漬、ナンミックス
- 終了:8月末
→ 気温上昇+夏バテ対策とリンクさせると爆伸び。
🧊 例③:麦茶・水出し茶(長期)
- 立ち上げ:4月末〜5月
- ピーク:6月後半〜8月中旬
- 終了:9月中旬
→ 気温22℃超えたら売れ始める、典型的“気温型カテゴリ”。
🐟 例④:土用の丑 配合調味料(短期)
- 立ち上げ:本番3週間前
- ピーク:当日〜前日
- 終了:当日で即撤去
→ 最短の“集中イベント型”。スピード勝負。
🍫 例⑤:バレンタイン(中期)
- 立ち上げ:1月2週目(年始明け)
- ピーク:2月10〜14日
- 終了:2月15日
→ 世界観づくりが命(色:ピンク・赤・茶)。
🎃 例⑥:ハロウィン(中期)
- 立ち上げ:9月上旬
- ピーク:10月25〜31日
- 終了:11月1日午前
→ 終了後の切り替えスピードが評価される季節。
🍢 例⑦:鍋つゆ(超長期型)
- 立ち上げ:最低気温が15℃を切った頃(10月初旬)
- ピーク:12〜2月
- 終了:3月上旬
→ 天候との連動が最強。寒波予報で売場を増やす。
🍎 例⑧:お盆(中期)
- 立ち上げ:7月中旬
- ピーク:8月10〜15日
- 終了:8月16日
→ 家族で囲む食卓を演出すると強い(めんつゆ・惣菜だれ・そうめん関連など)
グロサリーに関わる季節例
- 七草
- 節分
- チョコレート(バレンタイン)
- ひな祭り
- 春の暖具(軽衣料・雑貨)
- 梅雨中湿対策
- 塩・熱中症対策
- 父の日
- 冷やし麺・つゆ
- そうめん
- 夏カレー
- BBQ
- 土用丑
- お盆
- 秋の味覚
- 鍋スープ
- 運動会
- ハロウィン
- ボジョレー
- 冬の鍋・汁物
- クリスマス
- おせち
- 鏡餅
スケジュールが明確になると売場が“勝手に動き出す”
期間を決めるだけで
- 量の波
- POPのタイミング
- 関連品の仕掛け時期
- どれを主役にするか
- いつ撤去するか
全部が自動で整理されます。
季節陳列は、
「いつからいつまで、どう攻めるか」を決めた瞬間がスタートライン。
⭐② 色・素材・光で“季節の空気”をつくる
季節陳列で最も効果が高いのは「視覚」と「質感」です。
✔ 季節色の基本
- 春:ピンク・白・淡色
- 梅雨:青・水色・透明
- 夏:青・黄・白(涼色)
- 秋:茶・オレンジ・赤
- 冬:白・銀・濃い青
✔ 素材選び
- 春:花柄・紙素材
- 夏:麻・竹・透明素材
- 秋:木目調・落ち着いた色
- 冬:厚紙POP・金銀装飾
✔ ライトの調整
- 夏は明るく、涼しさを感じる光
- 冬は少し暖かみのある光
「色・素材・光」を抑えるだけで
売場は一瞬で季節の空気に染まります。
お客様に売場で注目してもらうには、視覚と質感を利用して雰囲気を最大限に伝えることが重要ですね!
⭐③ 季節陳列は“ストーリー”で組み立て
季節陳列はただ商品を並べるのではなく、
生活シーンを再現することが目的です。
✔ 例:そうめん
- 主役:そうめん
- サブ:麺つゆ・生姜
- 補助:ガラス皿・薬味
→ 清涼感のある“夏の食卓”を演出します。
✔ 例:BBQ
- 主役:焼肉のたれ
- サブ:炭・紙皿
- 補助:飲料・スパイス
→ “外で食べたくなるシーン”を伝えます。
ストーリーを見せることで、お客様は
「あ、これ一緒に買っとこ」
という連想が生まれます。
売場を見るだけでシーンが思い浮かぶのは助かるわ
⭐④ 季節×関連陳列で買上点数が伸びる
季節陳列と関連陳列は非常に相性がよいです。
季節を感じると、お客様は
“これも必要かも”
という気持ちが自然に生まれます。
✔ 例:梅雨売場
- 主役:除湿剤
- サブ:防カビ剤
- 補助:湿気取りシート
✔ 例:夏カレー
- 主役:カレールウ
- サブ:トマト缶
- 補助:ナンミックス
季節は連想のスイッチです。
関連品を組み合わせるだけで 客単価が一気に上がります。
近くに必要そうな商品があるだけで「ないと心配になるから買っておこう」ともなるんだよねぇ~
⭐⑤ 季節陳列は「チーム」で回す
季節陳列は、一人で作る売場ではありません。
チームで季節を運用することで、売場が一気に強くなります。
✔ チーム運用のポイント
- 誰がどの棚を担当するか
- 必要SKUと在庫量の共有
- 期間表の共有
- POP担当の明確化
- 動線まで含めたクロスフォロー
季節陳列がうまい店は
“季節の文化”がチーム内に根付いています。
意外とこの「チームで共有する」ことができていないお店は多いです。
🔚 まとめ
季節陳列は、
「季節を売る」ではなく「季節で語る」技術です。
色、素材、ストーリー、関連陳列、チーム運用。
この5つを丁寧に設計するだけで、
季節売場はお客様の心を大きく動かす力を持ちます。
🗣 トレーナーコメント
「季節を語れる売場は、ほんまに強いで。
商品じゃなくて“季節の気分”を届けるのがプロの仕事や!」
🔗 参考リンク
行動心理学と季節購買の関係
https://www.sciencedirect.com/topics
日本気象協会季節指数(季節購買に関連)
https://tenki.jp/lite




