迷わせない売場が、年末の売上を決める

年末の売場づくりで、
最後に効いてくるのが「導線」と「POP」です。

どれだけ商品を揃えても、
どれだけ価格を頑張っても、
お客様が「迷う売場」になった瞬間、カゴの中身は減ります。

年末は、
✔ 家族連れ
✔ 時間に追われたお客様
✔ まとめ買い前提のお客様

が一気に増える特殊な時期です。
だからこそ、売場は“考えさせない設計”が正解になります。

① 入口 → 野菜 → 主通路 → 館内導線

年末の「黄金ルート」を作ります

年末の来店客の多くは、
「とりあえず全部揃えたい」という状態で入店します。

そのため、導線は次の流れを意識します。

  • 入口
    年末感を一瞬で伝える
    → もち・そば・年末訴求POP
  • 野菜売場
    お雑煮・鍋・年末料理の起点
    → 関連する調味料・乾物への視線誘導
  • 主通路
    まとめ買いゾーン
    → そば・つゆ・天ぷら粉・油・酒
  • 館内導線
    「あ、これも要るな」を拾う
    → 菓子・飲料・乾物・保存食

この流れができると、
お客様のカゴは自然に重くなります。

買い忘れが起こらない売場はほんと助かるわ

② POPは「迷わせない」が正義

年末のPOPで一番やってはいけないのは、
情報を盛りすぎることです。

この時期のPOPは、
説明ではなく「決断の後押し」が役割になります。

おすすめは、

  • 「年越しそばに」
  • 「お雑煮用」
  • 「家族5人分の目安」
  • 「これがあれば安心」

といった、
“使い道が一瞬でわかる言葉”です。

価格よりも、
「何に使う商品か」が見えるPOPの方が、
年末は圧倒的に強くなります。

情報量が多いと「もう見たくない」ってなるんだよなぁ

③ “家族客”のカゴの動きを読むと売場が変わる

年末は、
家族単位での来店が増えます。

このときのカゴの特徴は、

  • 1商品あたりの数量が増える
  • 関連商品を一緒に入れる
  • 「失敗したくない」心理が強い

という点です。

だから売場では、

  • 単品勝負より「セット感」
  • 選ばせるより「これでOK」を提示
  • 迷わせる棚割より「用途別ブロック」

を意識します。

家族客は“安心できる売場”でよく買います。

④ Z型視線理論 × ハロー効果を年末仕様で使います

人の視線は、
左上 → 右下に流れる「Z型」が基本です。

年末売場では、

  • 左上:主役商品(そば・もち)
  • 中央:関連商品(つゆ・だし・具材)
  • 右下:追加提案(天ぷら粉・油・酒)

という配置が非常に効きます。

さらに、
売れ筋商品を中心に置くことで、
周囲の商品まで良く見える
ハロー効果も同時に発動します。

これは、
「高い商品を置く」ではなく、
“安心されている商品”を中心に置くのがコツです。

👁️ 見せ方の科学⑤:Z型視線理論で“売れる棚の動線”をデザインする 視線を制する者が、売場を制する 人は商品を選ぶ前に、まず「見る」ことで判断しています。つまり、視線の動き方=購買の思...
🌟 見せ方の科学⑥:ハロー効果で“隣も売れる棚”をつくる ― 人気商品の“光”を、となりへ反射させる ― お客様は、人気商品や信頼できるブランドの「隣」にあるものを、“なんと...

⑤ 年末は「価格POP」より「用途POP」が勝つ

年末は、
値段を比べる来店ではありません。

  • 必要なものを
  • 失敗せずに
  • まとめて買う

これが目的です。

そのため、
「○円安い」より
「これが必要」が伝わる方が売れます。

用途POPの例:

  • 「この3点で年越しそば完成」
  • 「お雑煮に必要なものはこちら」
  • 「年末に切らせない基本調味料」

年末は“売る”より“助ける”POPが結果を出します。

商品の「いわれ」を伝えると効果的かな!

第5章 第1部:おせち・お雑煮に使う“全ての基本食材”を総まとめ|意味・役割・売場ポイント おせち・お雑煮・年末年始の“買われる理由”を理解する おせちやお雑煮の売場を作るうえで、「なぜ売れるのか」「どんな...

まとめ:年末の導線とPOPは「優しさ」

第7章のポイントは、
とてもシンプルです。

  • 導線は「考えなくていい流れ」を作る
  • POPは「迷わせない言葉」にする
  • 家族客の不安を先回りで消す
  • 視線と心理をセットで使う
  • 価格より用途を伝える

年末の売場は、
やさしい売場が一番強いのです。

📚 参考データ・資料(読みやすい位置にまとめました)