― 主役は鮮魚・デリカ。でも、静かに数字を作るのはグロサリーです ―

ひな祭りといえば、
鮮魚の刺身盛合せや、
デリカのちらし寿司・はまぐりのお吸い物が主役です。

売場の中心に置かれ、
チラシでも大きく扱われることが多いため、
「ひな祭り=鮮魚・デリカの行事」という印象を持たれがちです。

しかし実際の売上構造を細かく見ていくと、
買上点数や関連購買を静かに積み上げているのはグロサリー
であるケースが非常に多く見られます。

本記事では、
「ひな祭りでグロサリーは何を担うのか」
「ひなあられは本当に直前しか売れないのか」
「どこで差がつくのか」
を、現場目線で整理していきます。

ひな祭りにおけるグロサリーの3つの役割

ひな祭りのグロサリー売場は、主に次の3本柱で構成されます。

分類主な商品役割
行事菓子ひなあられ・菱餅行事需要の即売
ちらし寿司関連すし酢・具材客単価アップ
ついで買い甘酒・春菓子点数アップ

鮮魚・デリカが「目的買い」を作り、
グロサリーが「買い足し」を生み出す。
この関係性を理解できるかどうかが、
ひな祭り売場の完成度を左右します。

こう見てみるとひな祭りもグロサリー商品は関わり多いね

ひなあられは「本当に直前しか売れないのか」

結論から言うと、答えは 「半分YESで、半分NO」 です。

確かに、
売上数量のピークは前日〜当日 に集中します。
一方で、
「まったく早く売れないか」というと、そうではありません。

重要なのは、
早く売れる層と、直前に一気に買う層がまったく別
という点です。

各時期のお客様動向を見てみましょう!

① 2〜3週間前(早期需要)

この時期に動くのは、

  • 祖父母による贈り物需要
  • 保育園・幼稚園・施設関係
  • キャラクター・限定パッケージ商品

といった、ごく一部の層です。

数量は少なく、
POS上では目立ちにくいため、
現場では「まだ全然動いていない」と感じやすい時期でもあります。

この段階では、
山積みや大量展開は不要です。
定番棚に小さく季節感を添える程度で十分です。

② 5日前〜2日前(一般家庭が反応し始める)

この頃から、
女の子がいる家庭や、
「今年は少しやろうか」と考え始めた層が動き始めます。

売れるのは、

  • 小袋
  • 個包装
  • 見た目が分かりやすい商品

売場は、
デリカ前や季節エンドなど、
「ひな祭りを意識する導線」に組み込むことが効果的です。

③ 前日・当日(最大ピーク)

数量の大半が、この2日間に集中します。

  • 「忘れていた」
  • 「ついでに買っておこう」

といった、思い出し需要が一気に発生します。

この時期は、
レジ前・通路・エンドなど、
迷わず手に取れる場所 が最優先です。

④ 翌日

翌日になると、動きはほぼ止まります。
ひなあられは行事色が非常に強く、
通常菓子としては売りにくい商品です。

そのため、
翌日まで持ち越さない前提での発注・売場設計 が基本となります。

ちらし寿司関連は「家で少し作る層」を拾う

グロサリーで動きやすいのは、次のような商品です。

  • すし酢
  • ちらし寿司の素
  • かんぴょう
  • 干ししいたけ
  • 刻み海苔・白ごま

ひな祭りは、
「すべて手作り」でも
「すべて買う」でもなく、
“少しだけ家で用意する”層が多い行事です。

この中間層を拾えるかどうかが、
グロサリーの腕の見せどころです。

私の家もちらし寿司は家で作ってたよ!

ついで買いで効く「甘酒・春菓子」

  • アルコールなしの甘酒
  • 桜風味のお菓子
  • 春限定パッケージ商品

ひな祭りは、
女の子の行事であると同時に、
春の入口を感じさせるイベントでもあります。

季節の切り替わりを意識した商品を添えることで、
自然な点数アップにつながります。

まとめ

ひな祭りの主役は鮮魚とデリカです。
しかし、売場の完成度と数字を支えているのはグロサリーです。

ひなあられは、
早くから少し売れ、
本当に数字を作るのは直前

この特性を理解し、
「気づかせる売場」と
「取り切る売場」を使い分けることが、
ひな祭り成功のカギになります。

グロサリーは、
行事を日常に自然に溶け込ませる部門。
だからこそ、派手さよりも設計力が問われます。

「参考文献まとめ」

本記事では、ひな祭りの行事背景や食文化について、
以下の資料を参考にしています。