商品の値上げで厳しい中、スーパーマーケットがとれる対策とは―「高くなったから売れない」で終わらせない、売場の現実解―

値上げ通知が止まらない現場で
「また値上げですか…」
原材料費、物流費、人件費。
どれをとっても下がる要素が見当たらず、
スーパーマーケットの現場では売価改定が日常業務になりました。
一方で、お客様の財布事情は決して楽ではありません。
「高くなった」「前より量が少ない」
そんな声が聞こえるたび、売場に立つ私たちは不安になります。
でも本当に――
値上げ=売れない なのでしょうか?
実は、同じ値上げでも
- 影響を大きく受ける売場
- それほど数字を落とさない売場
その差は、はっきり分かれています。
この記事では、
値上げ時代にスーパーマーケットが現実的にとれる対策を
グロサリー売場の視点から整理します。
① 値上げで本当に苦しくなるのは「価格」そのものではない
値上げで売上が落ちる原因は、
単純に「高くなったから」だけではありません。
実際の現場で問題になるのは、
- なぜ高くなったのかわからない
- 他の商品との違いが見えない
- 買う理由が売場に書かれていない
つまり、
👉 価格に対する「納得感」がない状態です。
価格だけが前面に出た売場は、
お客様にとって「比較しやすく、削りやすい売場」になります。
テレビで放映されたら少し高くても売れたりする あれも買う理由ができたからだよね
② 値上げ時代に弱い売場の特徴
値上げの影響を強く受けやすい売場には、共通点があります。
- 同じ用途の商品が一直線に並んでいる
- POPが「○円」「特売」だけ
- 商品の使い道・強みが伝わっていない
この状態では、
お客様は価格だけで判断せざるを得ません。
結果、
- 少しでも高い商品は外される
- PBや安価品だけが動く
- 売上も荒利も不安定になる
という悪循環に入ります。
POPでこの商品を買うとお客様の何が解決するのか示せるといいですね! 「朝食に困ったときに!」や「あと一品おかずに最適!」など
③ 値上げ時代にスーパーがとれる対策【売場編】
① 価格訴求から「用途訴求」へ切り替える
「高い・安い」ではなく、
「何に使う商品か」を前に出します。
例)
- 「朝食用」「お弁当用」「非常用」
- 「今日は手軽に」「今日はしっかり」
用途が見えると、
価格は判断材料の一部に変わります。
② 関連陳列で“1品の高さ”を感じさせない
単品で見ると高く感じる商品も、
関連商品と組み合わせることで印象は変わります。
- パスタ+ソース
- カレー+トッピング
- ご飯のお供+主菜
「これで1食」「これで完成」という形を作ることで、
価格は体験の中に埋もれていきます。
③ 「値上げPOP」より「理由POP」
値上げを隠す必要はありません。
むしろ、理由を簡潔に伝えた方が信頼につながります。
- 原料変更
- 産地事情
- 内容量維持の工夫
長文は不要。
一言で十分です。
④ スーパーがとれる対策【商品・運用編】
① 全部を守ろうとしない
すべての商品を同じように守る必要はありません。
- 価格に敏感な商品
- 多少高くても選ばれる商品
この切り分けが重要です。
守るべき商品には
- 露出
- フェイス
- 説明
を集中させます。
② 値下げより「見せ方」を先に変える
すぐに値下げすると、
「高い→安くなるまで待つ」売場になります。
まずは、
- 並び
- 置き場所
- 見せ方
を変える。
それでも動かない時に、値下げを検討します。
⑤ 値上げ時代でも踏ん張れる売場の共通点
値上げに強い売場は、
必ず「説明できる売場」です。
- なぜこの価格なのか
- どんな人に向いているのか
- どんな場面で使うのか
これが伝わっている売場では、
お客様は価格だけで商品を切りません。
まずは週ごとに絶対売り込む商品を決め、その売場に工夫をこらしてみる ことから始めてみよう!!
おわりに|値上げは「売場を考えるチャンス」
値上げは、
確かに現場にとって厳しい現実です。
でも同時に、
- 何となく並べていた売場
- 価格頼みだった売場
を見直すきっかけでもあります。
値上げで売れなくなるのではありません。
👉 考えない売場が、先に苦しくなるだけです。
明日、
POPを一言変える。
並びを少し変える。
その積み重ねが、
値上げ時代でも選ばれる売場を作ります。
🔗参考リンク
🧾 原材料・物流・人件費が上昇している背景
👉 食品・原材料価格高騰の原因まとめ(原料・物流・人件費など)
食品の原材料費高騰の原因と収益を上げるための対策(文章あり)
→ 原材料・物流・人件費上昇が値上げの主要因として整理されている。
📊 物価高が継続しているデータ
👉 消費者が実際の値上げ感を感じる物価動向(食品・日用品中心)
値上げはなぜ起きる?物価高騰の原因や対策(グラフ・例あり)
→ 2021〜2024年の値上がり傾向・品目例がわかる。
📈 値上げ時代のスーパー価格戦略
👉 流通業界専門誌での価格戦略・仕組みづくり解説
値上げ時代、スーパーマーケットが取るべき価格戦略と仕組みづくり
→ 値上げ対応の価格戦略(商品分類・価格弾力性・小売戦略の例)を業界目線で解説。


