値札1枚で、売上は変わる。POPは“武器”だ― 数字の向こう側で、誰の気持ちが動いているのか ―

たった1枚の紙が、結果を変えた日
それは、閉店間際の売場だった。
山積みされたレトルトカレー。
きれいに並んだ棚。
在庫はある。
欠品もない。
でも、
動かない。
先輩が、値札を一度外して、
新しい紙を差し込んだ。
「“安い”って書くな。“理由”を書け」
正直、意味がわからなかった。
値段は同じ。
商品も同じ。
場所も同じ。
変えたのは、
言葉だけ。
それなのに――
次の30分で、棚が一段、消えた。
その瞬間、わかった。
値札は、価格表じゃない。
“心を動かす装置”なんだ。
① お客様は、数字じゃなく“感情”を見ている
98円。
128円。
158円。
お客様は、
この数字を“計算”しているようで、
実は、“感じている”。
- 安そう
- お得そう
- なんか安心
- 今日はこれでいいか
この“なんとなく”を作っているのが、
フォントの太さ。
色のコントラスト。
数字の位置。
言葉の順番。
同じ「98円」でも、
BEST PRICE 98円
と
98円(税込)
では、
“勝ちに来ている売場”と“説明している売場”くらい、印象が違う。
グロサリーは、
この“空気”を設計している。
同じ値段でも感じ方が全然違うね!
② 「安い」と「納得」は、別の感情だ
人は、
安いだけでは、動かない。
動くのは、
“理由が見えたとき”だ。
- 今週のおすすめ
- 売れ筋No.1
- 家族向けサイズ
- 朝食にちょうどいい
この一言があるだけで、
商品は“モノ”から
“選択肢”に変わる。
POPとは、
売場に置かれた
無言の営業マンだ。
売場にずっとスタッフが商品説明できないからね コトPOPはその代わりとなるね!
③ 言葉の順番が、カゴの中身を変える
たとえば、
この2つ。
A:
98円/売れ筋No.1
B:
売れ筋No.1/98円
同じ情報。
でも、
カゴに入る確率が高いのは、Bだ。
人は、
“正しさ”のあとに、“価格”を見ると、
安心して買う。
これを、
毎日、
棚の前で、
仕込んでいるのが、
グロサリーだ。
理由→価格 これを意識しよう!
④ 手書きPOPは、感情の“ノイズ”だ
きれいな印刷物。
整ったデザイン。
統一されたフォント。
それでも、
ときどき、
一番売れるのは、
ちょっと歪んだ、手書きPOPだったりする。
なぜか。
そこに、
“人の気配”があるからだ。
- この店が選んだ
- この人がすすめている
- ちゃんと見ている
その“気配”が、
お客様の背中を、
一歩だけ、押す。
字や絵が完璧じゃなくてもそこに想いがあればお客様に伝わる!
⑤ POPは、現場の“意思表示”だ
売場に並ぶPOPは、
店の“性格”そのものだ。
- とにかく安さを叫ぶ店
- 使い方を教える店
- こだわりを語る店
- 家族目線で語る店
どれが正解、じゃない。
どれを選ぶか、が“設計”だ。
POPは、
値段を伝えるためにあるんじゃない。
“この店は、何者か”を伝えるためにある。
コトPOPを見るとその店の方向性が見えるよね
🔍 トレーナー課題|今日、あなたは何を“語った”か
今日、売場に出したPOPを、
ひとつ、思い出してほしい。
それは、
価格を語っていたか。
それとも、
“理由”を語っていたか。
その違いが、
今日のカゴの中身を、
少しだけ、変えている。
おわりに|売場は、感情でできている
お客様は、
値札を見て、
POPを読んで、
棚を眺めて、
そして最後に、
“なんとなく”で、手を伸ばす。
その“なんとなく”を、
毎日、
仕込んでいるのが、
グロサリーという仕事だ。
値札1枚。
POPひとつ。
それは、
ただの紙じゃない。
今日の売上と、
明日の信頼を、
同時に撃ち抜く“武器”だ。
🌐 参考リンク
- Diamond RM Online(販促・売場づくり実務)
https://diamond-rm.net/ - 日本チェーンストア協会
https://www.jcsa.gr.jp/ - 全国スーパーマーケット協会
https://www.super.or.jp/

